広域機能イメージングと投影光遺伝学による大域的神経活動の因果的分析
Project/Area Number |
22K15620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51010:Basic brain sciences-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 遼介 名古屋大学, 創薬科学研究科, 助教 (50825924)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 光遺伝学 / ウイルスベクター / 光学 / 神経科学 / 広域カルシウムイメージング / 視覚 / 運動 |
Outline of Research at the Start |
脳内で離れた領域同士の情報連絡は,認知や運動,またその連合機能の発現に重要である. 申請者は,本研究で構築する光学顕微鏡により,課題を遂行中のマウスにおいて,①大域的神経活動パターンの観察・同定,②大域的 / 局所的神経活動操作,③ 活動操作によって起きた行動の観察・定量 を行う.これらの解析を通し,脳領域間の相互作用がどのように行動に寄与するかを明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は光感受性チャネルタンパクの発現最適化,カルシウムイメージングデータの信号処理法の最適化,電気生理学的手法による活動操作の validation のための準備,行動評価系の最適化などを行った. まず,大脳皮質の光遺伝学にしようするチャネルタンパクの発現を誘導するためのウイルスベクター条件について最適化を行った.複数種類のAAV-PHP.eBベクターをカクテルすることで,単一野生型マウス個体の大脳皮質においてGCaMPとChRmine を広く発現させることに成功した.また,ノイズを多分に含む広域カルシウムイメージングデータから,神経活動に関連性が低い成分を除くアルゴリズムを実装し,アーティファクトを除去することに成功している.大脳皮質の広範囲を高解像度で観察可能にする観察窓の手術法についても確立し,二光子顕微鏡による細胞レベルでの観察が可能なこと,上記信号処理法により血管由来アーティファクトを軽減できることも確認した.投影光遺伝学法では,投影光により実際に神経活動が誘発されたかどうかをカルシウムイメージング法だけでなく,細胞外電位記録法による validation を計画している.今年度はシリコンプローブを用いて覚醒下,ヴァーチャルリアリティ内で行動中のマウスから高精度で活動電位および Local Field Potential を記録できる手法の確立に成功しており,今後投影光との組み合わせて投影光遺伝学法の評価を行う予定である.また,蛍光観察・電気生理学的手法による神経活動記録,光刺激,行動観察をすべて同時に行うシステムとして次年度の学会報告および学術誌への発表を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光学部品等の都合上,顕微鏡の設備更新に時間を要している.当初使用予定にしていたDigital mirror device およびレーザーモジュールが長期に亘り欠品状態のため,別途使用可能な部品を選定中である.また,光感受性チャネルを広域発現させた生体の行動変容および致死が見受けられたため,その最適化にも時間を要した. 細胞外電位記録法による記録,解析および評価法確立やカルシウムイメージング法の解析法開発に関しては当初の予定通り進行しており,研究遂行において深刻な遅れには至っていないと判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度早期に代替の光学部品を入手し,観察装置,光刺激装置およびその制御系を完成させ,実証実験にすすみたい.レーザープロジェクタの入手が困難であった場合は一旦ガルバノミラーデバイス等による光刺激法を導入し,同一固体,多波長での光刺激・蛍光観察が可能であるかをまず検証する.同時に,電気生理学的記録とそれらが組み合わせられるよう,視覚刺激ディスプレイ等との同期制御システムなどを最適化し,最終的には光刺激・蛍光観察・電気生理学的記録がすべて同時に行える実験系を構築する.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)