Project/Area Number |
22K15628
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51020:Cognitive and brain science-related
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
井林 賢志 自治医科大学, 医学部, 講師 (90911892)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 頭蓋内脳波 / ヒト嗅覚情報処理 / てんかん / パーキンソン病 / 匂い / 嗅覚情報処理 / 神経変性疾患と嗅覚認知 / 頭蓋内電位計測 / 嗅覚情動連関 |
Outline of Research at the Start |
匂いを嗅ぐと、嗅いだ物や関連する事柄を想起し様々な感情が惹起される。嗅覚情報処理に関わる脳領域は、非侵襲的脳機能計測法から局在が明かになりつつあるものの、嗅覚認知のさなかにある脳活動を直接観察した研究は希少である。ヒトを対象とする大脳生理研究においては、外科的に留置される頭蓋内電極による皮質脳波や局所電場電位の測定が唯一の直接的研究法である。本研究は治療のため頭蓋内電極を留置した患者を対象に、1)嗅覚野と関連領野での嗅覚情報処理機構、2)嗅覚刺激に伴う言語・記憶・感情(匂いの名辞や好み)の情報処理機構を明らかにする。研究成果は嗅覚と高次脳機能の連関、嗅覚障害を伴う神経疾患の病態解明に寄与する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒト大脳における嗅覚情報処理機構は、未解明な点が多い。特に、関連する領域間の情報伝達を解析するためには時間分解能の高い信号を計測する必要がある。その点において、頭蓋内脳波信号(iEEG)は、臨床的な目的で侵襲的に頭蓋内に留置された電極を用いて計測され、シグナルノイズ比の高い、時間解像度の高い良質な信号である。われわれはこれまで、iEEG計測環境下ないしMRI環境下において使用することが可能な匂い刺激呈示装置の作成に成功しており、このカスタムメイドの刺激呈示装置を用いて今年度は3名の頭蓋内電極留置中の患者の嗅覚関連脳活動の計測を行うことができた。対象となった患者は難治性てんかんの焦点検索を目的にロボット支援下定位的深部電極留置術を行った2名と、パーキンソン病に対する治療的な脳深部刺激電極を留置した1名であった。それぞれ、上記匂い刺激装置を用いて、匂い名辞課題中の頭蓋内脳波信号を計測することに成功した。得られた信号に対して、時間周波数解析の手法を用いることで、嗅覚情報処理機構の解明を試みた。留置された電極のうち、特に嗅覚情報処理に関連する嗅内野を中心に神経活動を検知することに成功し、結果の一部を査読付きの国際研究会にて発表することができた。今後の研究発展のための意見交換、とりわけ、今回目的とする神経活動を賦活するための課題の発展や、頭蓋内信号解析の手法改善について今後の研究進展のためのアイディアを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に3名の被検者からデータ計測が可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに計測症例を積み重ねることで、確認された神経活動の再現性の確認や、他領域との連関についての解析をすすめる予定である。
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