Project/Area Number |
22K15630
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51020:Cognitive and brain science-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
本田 耕太郎 順天堂大学, 大学院医学研究科, 非常勤助教 (70803625)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 痒み / 掻破行動 / 確率 / 統計モデル |
Outline of Research at the Start |
痒みは掻破行動を惹起するが、掻破行動を繰り返すメカニズムについてはいまだ不明点が多い。本研究ではマウス掻破行動の出現パターンを時間的な基準で分類し、同じ成功確率で繰り返すことを意味する幾何分布へのモデル化を行った。この成功確率(止痒成功確率)の変動法則について、潜在的な病態進行との関係と脊髄痒覚神経経路の点から解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ひとたび掻破行動が開始されると、行為者の意図しないところで2回、3回とランダムに繰り返しが延長される。このようなランダム性の性質を明らかにするために、掻破行動のランレングスを確率変数として捉えたときに得られる確率分布の特徴を解析した。健常マウスの掻破行動のランレングスの確率分布が0.5のn乗に近接するという特徴を見出したので、初めて成功するまで同じ成功確率で試行を繰り返すときの試行回数が表す幾何分布を用いて掻破行動のランレングスの確率分布を説明できると考えた。本研究課題では掻破行動のランレングスのランダム性を説明する幾何分布のパラメータを止痒成功確率と呼び、急性痒み誘発モデルにおける止痒成功確率の変動を明らかにする。 一般的に痒み・痛み研究で用いられているヒスタミン、クロロキン、beta-alanine、IL-31を起痒物質として、カプサイシンを発痛物質として選択した。これらの濃度依存的な確率分布と止痒成功確率の変化について、それぞれ16匹のC57BL/6マウスを用いて掻破行動のランレングスの確率分布を得て解析した。すべての実験条件において得られた確率分布はランレングスが1の出現確率が最も高く、対称性のある分布ではなかった。投与物質それぞれについて異なる成功確率の下限を見出すことができた。意外なことに、カプサイシンを投与した場合の止痒成功確率の推移は特徴的で、下限のピークに達したのち投与量増加に伴って増加した。 これらの結果は、急性痒み誘発型の掻破行動のランレングスのランダム性は止痒成功確率を用いて説明できる可能性を示唆する。カプサイシンに誘発される掻破行動のランレングスについての解析結果は、痛みも止痒成功確率を変動させる要因となることを示唆する。止痒成功確率の推移が減少から増加に転じる点については、痒みから弱い痛みへの変化を表しているかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は起痒物質と発痛物質それぞれに誘発される掻破行動のランレングスの確率分布について、投与濃度依存的にどのように変化するかに着目して解析した。特に幾何分布の特徴である単調減少が壊れていずれかのレングスにピークが移動するような条件が見つかった場合、掻破行動のランダム性を規定するメカニズムが変化したことを示唆すると考えられた。本研究課題で選択した起痒物質ではそのようなランダム性そのものの変化は観察されずに、投与濃度依存的な成功確率の低下を示唆する確率分布の変化が観察された。成功確率の下限に関しては起痒物質の種類によって異なっており、感覚神経に発現する受容体に依存して成功確率の下限が決まると想定された。生理食塩水を投与した群においても成功確率の低下が見られることから、皮膚の膨張等の刺激も成功確率の低下に寄与する可能性がある。意外なことに、発痛物質であるカプサイシンを投与したときに誘発される掻破行動のランレングスもこれまでと同様の確率分布を示したが、成功確率の投与濃度依存的な推移は低下したのちに上昇したため、起痒物質とは異なる挙動を示した。これらの結果から、掻破行動のランレングスのランダム性を幾何分布に決定する機構は頑健であるが、成功確率は皮内または皮膚の状態に応じて柔軟に変動することが明らかになった。成功確率の変動に関する分子メカニズムや複数種類の起痒物質と発痛物質の混合投与の影響はいまだ明らかになっておらず、さらなる解析が必要である。これらの研究状況を評価して、おおむね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は複数の痒み・発痛物質の混合投与における止痒成功確率の変動と脊髄の痒み・痛み神経伝達経路に着目した止痒成功確率の変動について解析するとともにこれまでの研究結果を論文として発表する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)