Project/Area Number |
22K15636
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 真夏 (森川真夏) 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (80854885)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | キネシン分子モーター / 神経変性疾患 / シャルコー・マリー・トゥース病 |
Outline of Research at the Start |
神経細胞に存在する分子モーターKIF1Bβは、膜貫通型チロシンキナーゼ受容体であるインスリン様成長因子1受容体IGF1Rと結合し、軸索内へ輸送することで、IGF1Rの細胞表面への提示を助ける。 本研究では、軸索型CMT患者で見つかったKIF1BβのIGF1R結合ドメイン変異に注目する。マウス神経細胞にこのKIF1Bβ変異体を発現させることで、KIF1BβとIGF1Rとの結合やその複合体の軸索内輸送、軸索伸長にこの変異体が与える影響を検証する。KIF1Bβ変異によるIGF1Rの輸送障害とCMT発症との関連を明らかにし、KIF1Bβ-IGF1Rカスケードの観点からCMT発症のメカニズム解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、分子モーターKIF1Bβの変異がKIF1Bβ-IGF1R-PI3Kカスケードに与える影響を調べることで、軸索型シャルコー・マリー・トゥース病(CMT2)発症の一因を探ることである。本研究では、CMT2患者で見つかったKIF1BβにおけるIGF1R結合ドメインの一塩基変異に注目している。 2022年度は、マウス海馬初代培養ニューロンを用いて、KIF1Bβ変異体の発現とニューロンの生存・軸索伸長の関連を検証した。KIF1Bノックアウトマウスの海馬初代培養ニューロンはDIV2からDIV3で軸索伸長が著しく損なわれることが知られている (Zhao et al., 2001, Cell; Xu et al., 2018, JCB)。そこでKIF1BノックアウトマウスにEGFP- KIF1BαおよびEGFP- KIF1Bβの発現ベクターを導入し、軸索伸長のレスキュー実験を試みた。まず最初に、様々なトランスフェクション法を試したところ、レンチウイルスベクターでのKIF1B発現効率が高いことがわかった。精製したレンチウイルスベクターを、KIF1Bノックアウトマウスの海馬初代培養ニューロンに添加したのち、免疫細胞化学的に染色し、コンフォーカル顕微鏡で軸索長と分枝数を分析することでニューロンの形態を観察した。 その結果、KIF1Bノックアウトニューロンは以前の報告通り全ての突起が短いのに対して、KIF1BαとKIF1Bβを共発現させると軸索が有意に長く伸びることが確認された。一方、KIF1Bαのみを発現させ、KIF1Bβがないニューロンでは有意に突起が短かった。そして、KIF1Bαと変異型KIF1Bβを発現させた場合も軸索が有意に短くなることがわかった。 2023年度は、育児休業取得のため、研究を実施しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年10月より産休・育休を取得しているため、進捗は当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに予定していたものの未だ完了していない実験は、KIF1Bβ特異的miRNAベクターを使用したノックダウンニューロンで、変異型KIF1Bβの発現が軸索伸長をレスキューするかどうかを調べるものである。しかし変異型KIF1Bβとニューロンの軸索伸長の関連性は上述したノックアウト実験によりすでに検証できたため、育児休業後は以下の実験(1)から(3)を遂行する予定である。 (1)KIF1Bβ変異とIGF1R輸送を検証する。抗IGF1R抗体を使用した免疫染色で軸索表面のIGF1R発現レベルを分析し、IGF1Rの表面提示に対する変異型KIF1Bβの活性を野生型と比較する。また、同じ系でライブイメージングを行いIGF1Rの輸送をリアルタイムで観察する。輸送されたIGF1R含有小胞の数、順向性・逆向性の輸送方向の比率、速度を分析し、変異型KIF1BβがIGF1Rの軸索輸送へ与える影響を野生型と比較する。 (2)KIF1Bβ変異とIGF1Rの結合能力を検証し、変異の存在によりIGF1Rβサブユニットに対して結合能力が低下するかを評価する。 (3)KIF1Bβ変異とIGF1R / PI3Kシグナル伝達の障害を検証し、変異型KIF1Bβを発現するKIF1BβノックダウンニューロンでIGF1Rを介したPI3Kシグナル伝達が不完全になるのかを明らかにする。
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