Project/Area Number |
22K15650
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小関 大地 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (10927792)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | αシヌクレイン / シヌクレイノパチー / 神経変性疾患 |
Outline of Research at the Start |
αシヌクレインの異常凝集を認めるパーキンソン病や多系統萎縮症のような神経変性疾患において、αシヌクレイン凝集体は様々な末梢組織からも検出される。このような分子はプリオンタンパク様の性質を示すことから、凝集体の構造多型が特定の疾患表現型を規定している可能性がある。本課題ではシヌクレイノパチー患者の血液からαシヌクレイン凝集体を検出し、構造的多型性について精査を行うことで侵襲性の低い疾患鑑別法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD)や多系統萎縮症(MSA)等に代表されるシヌクレイノパチーは根治療法のない神経変性疾患であり、病気の発症や進行を遅らせる疾患修飾療法の開発を目指した診断法の開発は重要な課題である。近年、シヌクレイノパチーにおいて共通の原因分子と考えられているαシヌクレイン(αSyn)がプリオン様の性質を示すことが明らかになり、当教室はプリオン増幅技術であるRT-QuIC法を用いることでαSynが脳内のみならず末梢を循環する血液においても多型性を示すことが明らかになった (Nat. Med. 2023, 29, 1448)。そこで本研究では、プリオン病研究で提唱された「一多型一疾患仮説」をシヌクレイノパチーに拡張し、αSynの構造と疾患表現型との関連性を解明することを目的としている。 RT-QuIC法を用いた初年度の検討から、『αSynの翻訳後修飾や補因子が多型性に影響を与えている』という仮説を立て、各シヌクレイノパチー患者からαSynを精製し、RT-QuIC増幅や伝播を行うことなく直接多型性を確認することで鑑別バイオマーカーの探索を進めている。今年度は、αSynを豊富に含むPD患者とMSA患者、あるいは健常者の剖検脳からαSynを精製し、ウェスタンブロッティング(WB)とプロテオーム解析を行うことでディファレンシャル解析を実施した(n=2~3)。その結果、WBにおいてはαSyn切断を反映したバンドパターンや翻訳後修飾に違いが見られた。また、プロテオーム解析においてはシヌクレイノパチー特異的に認めるタンパク質がいくつか特定できた。しかし、現時点では精製法や前処理法を十分に最適化できておらず、血液サンプルを用いて同様の解析を実施したところ、脳と一致する分子は見られなかった。現在は精製法と前処理法の検討を進めており、脳と血液で共通する鑑別バイオマーカーの特定を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析サンプル調製時の精製効率は依然として改善の余地があるものの、複数症例の剖検脳を用いた検討において同様の結果が得られており、鑑別因子の更なる絞り込みや体液検体を用いた検討を進めることで鑑別法を開発できるものと期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の検討では、①精製条件が不十分であり、②定性解析に留まっていること、③リン酸化濃縮のような前処理工程がないためPTM検出が不十分、等の課題が見られており、現時点で確度の高いバイオマーカーの特定には至っていない。そこで本年度はこれらの課題をクリアし、質の良いデータセットを用いて再度解析を実施する。
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