• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to previous page

メンデル遺伝を想定した急性脳炎の病態解明

Research Project

Project/Area Number 22K15667
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 52010:General internal medicine-related
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

今中 雄介  広島大学, 病院(医), 助教 (10905970)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Keywords急性脳炎 / COVID-19 / 自己免疫性脳炎 / 単一遺伝子異常
Outline of Research at the Start

急性脳炎の発症には、病原体のみならず宿主因子も関与する。過去、急性脳炎の宿主因子の解析として、単一遺伝子疾患を想定した急性脳炎の研究は乏しく、その疾患概念も確立されていない。本研究では、急性脳炎のなかでも宿主因子の影響が大きい症例を研究対象として、網羅的ゲノム解析、網羅的遺伝子発現解析により単一遺伝子異常の同定を試みる。単一遺伝子異常により障害される分子は『急性脳炎の鍵となる分子』と考えられ、その同定により急性脳炎の分子機序の飛躍的な解明が期待できる。本研究で、急性脳炎に関連する宿主因子を解明するとともに、『単一遺伝子異常に基づく急性脳炎』という疾患概念の確立に挑戦する。

Outline of Annual Research Achievements

急性脳炎の発症には、病原体のみならず宿主因子も関与すると考えられている。これまでに宿主因子の解析として、多因子遺伝を想定した遺伝子多型の検討が広く行われてきた。一方で、単一遺伝子疾患を想定した急性脳炎の研究は乏しく、その疾患概念も確立されていない。本研究では、「急性脳炎の一部は、単一遺伝子異常に起因する」という作業仮説のもとで、検証を行っている。急性脳炎の原因として、単純ヘルペスウイルス、HHV-6、ロタウイルス、インフルエンザウイルスなど様々なウイルスが知られているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も急性脳炎の原因となりうることが報告されている。COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2は主に呼吸器に感染し、脳に影響を及ぼすことは稀であると考えられており、COVID-19が急性脳炎を引き起こす病態は解明されていないことに着目し、急性脳炎の中でもCOVID-19関連脳炎に焦点を当て、2022年度にCOVID-19関連脳炎2例に対して全エクソーム解析を行なった。その結果、1例でX遺伝子にヘテロ接合性ナンセンス変異を同定、他の1例でY遺伝子にヘテロ接合性ミスセンス変異を同定した。いずれの遺伝子も急性脳炎の原因遺伝子としての報告はないが、原因となりうる可能性があると考え、2023年度はそれらの遺伝子変異の機能解析を行った。しかし、現時点では脳炎との因果関係を立証する明確な結果は得られていない。また、新たに急性脳炎に対して全エクソーム解析を追加で行ったが、候補遺伝子は同定できなかった。
今後は更なる症例の蓄積とともに候補遺伝子の機能解析を継続し、これらの遺伝子異常が急性脳炎の原因として考えられるか詳細な検証を行っていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では急性脳炎の他に、自己免疫性脳炎、及び急性脳幹脳炎を研究対象として網羅的ゲノム解析を行う予定であったが、自己免疫性脳炎、急性脳幹脳炎では適当な対象症例がなく解析を行えていない。
全エクソーム解析を行なったCOVID-19関連脳炎2症例では、1例でIRAK3遺伝子にヘテロ接合性ナンセンス変異c.6101C>T(p.Gln201*)を、他の1例でIKZF1遺伝子にヘテロ接合性ミ スセンス変異c.152A>G(p.Ile509Val)を同定した。いずれの変異も既存の報告で急性脳炎の可能性となりうることが示されている。しかし、因果関係を立証する実験系の確立ができておらず、時間を要している・

Strategy for Future Research Activity

2023年度は新たに急性脳炎に対して全エクソーム解析を追加で行ったが、候補遺伝子は同定できなかった。その理由の一つとして網羅的ゲノム解析を行なった症例が少ないことが挙げられる。そのため、引き続き解析症例を増やせるよう努力する。いずれの疾患も稀であるため自施設だけでなく関連病院、および日本免疫・自己炎症学会の協力を仰ぎ、症例の蓄積に努めていく。急性脳炎の責任遺伝子の候補となる遺伝子変異(IRAK3遺伝子 c.6101C>T(p.Gln201*), IKZF1遺伝子 c.152A>G(p.Ile509Val))に対しては、遺伝子変異にともなう該当分子の機能障害の検証を引き続き行っていく。2023年度は機能解析を行ったが、現時点では脳炎との因果関係を立証する明確な結果は得られていない。 引き続き遺伝子変異の病的意義を解明するために、新たな機能解析法の模索を行っていく。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi