Project/Area Number |
22K15732
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森井 芙貴子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60806842)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 神経変性疾患 / 筋萎縮性側索硬化症 / ショウジョウバエ / 疾患モデル / 大腸菌 / アミロイド / 腸脳相関 |
Outline of Research at the Start |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は致死的な神経変性疾患であり治療法がなく、その開発が切望されている。近年、神経変性疾患の危険因子として腸内細菌叢の変化による腸-脳相関異常が注目されている。中でも大腸菌由来アミロイド蛋白curliは宿主の異常蛋白凝集や中枢神経系の炎症を惹起する分子として注目されているが、curliがALSの病態に及ぼす影響は明らかではない。本研究はALSモデルショウジョウバエを用いてALSの病態形成における腸内細菌叢、特にcurli産生の影響について明らかにすることを目的として実施する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は致死的な神経変性疾患であり、治療方法がなく、その開発が切望されている。近年、神経変性疾患の危険因子として腸内細菌の変化による腸ー脳相関の異常が注目されている。中でも、大腸菌由来アミロイド蛋白curliは宿主の異常蛋白凝集や中枢神経系の炎症を惹起する分子として注目されているが、curliがALSの病態に及ぼす影響は明らかではない。大腸菌由来アミロイド蛋白curliはパーキンソン病モデル線虫において運動機能、神経変性の増悪に関与し、さらに家族性ALS原因遺伝子SOD1を導入した線虫モデルでもcurli蛋白の発現で寿命の短縮が報告された。またcurliとALSについては、SOD1変異モデルマウスにおいてcurli産生大腸菌の投与群で非投与群と比較して、運動機能、生命予後が悪化したと報告された。 本研究はALSモデルショウジョウバエを用いてALSの病態形成における腸内細菌叢、特にcurli産生の影響について明らかにすることを目的として実施した。 昨年度はALSにおいて最も頻度の高いTDP43トランスジェニックショウジョウバエにおいて実験を行ったが、野生型の致死性の高さにより変異型のみの検討となった。この変異型ではcurliによる生存・運動機能の変化は認めなかった。 今年度は神経特異的にヒト家族性ALS遺伝子SOD1(G85R変異)ならびにC9orf72モデル(GGGGCCリピート延長モデル)トランスジェニックショウジョウバエに与える影響を検討した。SOD1モデルショウジョウバエはcurli投与群で優位な生存期間の短縮を認めたが、C9orf72モデルでは生存期間の変化を認めなかった。運動機能ではSOD1モデル、C9orf72モデルともに運動機能の変化を認めなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はALSで最も頻度の高いTDP43の変異モデルについて検討し、今年度は家族性ALSで最も古典的なSOD1モデルと欧米人で頻度の高いC9orf72モデルでの検討を行った。SOD1モデルで生存期間の短縮を認めたことから、運動機能への影響を検討したが、運動機能の変化は認めなかった。C9orf72モデルではcurliの生存・運動機能への影響は認めなかった。高頻度の遺伝子それぞれについてcurliの影響に関する知見を得たこと、SOD1モデル生存期間においてcurliの悪影響を確認しており、今後の生化学的検討へ繋げることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
SOD1モデルにおいてcurli投与による生存期間の短縮を認めている。これに関連して、SOD1タンパク質の神経系における生化学的な検討(顕微鏡的、あるいは蛋白定量的検討)ならびにフェノタイプの改善に資する薬物・食品のスクリーニングへと進めていく予定である。
|