せん妄下にみられる各精神症状の要因や予後に関する研究
Project/Area Number |
22K15747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
立花 昌子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60907715)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | delirium / multiple subtypes / interventions / prognostic impact / delusions / catatonia / acute brain dysfunction / せん妄 / 暴力 / 幻覚 / 妄想 / DRS-R-98 |
Outline of Research at the Start |
せん妄は認知機能悪化や入院の長期化に関わる重篤な病態であるが、その発症や遷延化に及ぼす要因は種々様々である。 現行の診断基準における分類は活動水準にのみによるものであり、必ずしも臨床応用に即したものにはなっていない。臨床でのせん妄治療は抗精神病薬の使用に偏し、発症 要因や症状の多様性を十分に考慮に入れたものとなっていない。 本研究では総合病院で発症・重症化し、精神科対応を求められた重篤なせん妄症例を対象として、特定の精神症状(幻覚、妄想、暴力等)に基づいて、その発症要因、臨床経過、予後を検討し、それぞれのタイプのせん妄の発症・重篤化・遷延を防止するために必要な分化した対応のあり方を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
妄想が顕在化するせん妄についての検討を行った。78名(13.0%)のせん妄患者に妄想がみられ、高齢(p<0.001)、女性(p<0.001)、一人暮らし(p<0.001)がせん妄患者における妄想の発現と有意に関連 していた。妄想形式は、迫害や被毒等の関係妄想に分類され,84.3%の患者が迫害者は医療スタッフであると確信していた。せん妄患者の妄想への対応や治療においては、妄想の背後にある孤立感や不安、恐怖を考慮した 心理的介入が必要であると考えられた(Tachibana M. et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2022)。 急性脳機能障害であるカタトニア(医学的疾患あるいは精神疾患による)とせん妄の類似性と鑑別、現行の診断分類の問題について整理を行った。現行の診断基準におけるカタトニアとせん妄は実臨床ではしばしば重複し、せん妄の存在はカタトニアにおける医学的疾患の存在を強く示唆する指標となると考えられた(Tachibana M, et al. Front Psychiatry. 2022)。 せん妄が、各疾患における死亡率、施設入所、お よび認知機能低下に与える影響に関するレビューを作成した(Tachibana M. et al.Psychogeriatrics. 2023)。 暴力を生じたせん妄患者の臨床経過や院内死亡に関して、Cox比例ハザード分析を用いて、暴力、抗精神病薬、身体拘束と死亡との関連を検討した。暴力はせん妄患者184例(31.2%)に認められ、暴力を伴うせん妄患者では身体拘束(p<0.001)、リスペリドン(p=0.003)、オランザピン(p=0.002)、ハロペリドール(p<0.001)の使用、抗精神病薬の多剤併用、抗精神病薬のクロルプロマジン換算値が有意に高かった。Cox比例ハザード解析では、暴力は院内死亡率と関連しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に2022年度の研究計画として予定していた妄想が顕在化するせん妄のサブタイプについて、妄想の有病率、臨床的特徴を調査し、妄想の発現に関与する要 因についての解析を行い、結果を報告した。また、特定の精神症状とせん妄の臨床経過や予後との関連の解析の前段階として、レビュー を作成し報告した。2023年度は暴力を伴うせん妄患者の臨床経過と予後について、Cox比例ハザード解析を用いて検討を行い、結果をまとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床経過と予後については、各サブタイプにおけるICU滞在日数、在院日数、死亡率、使用された抗精神病薬等を評価し、統計解析は、カプラン/マイヤー、コックス比例ハザードモデル等の生存分析を適用し、検討を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)