うつ状態におけるリアノジン受容体の変化と電気けいれん療法の抗うつ効果との関係
Project/Area Number |
22K15796
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
丸山 恵美 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30792072)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | うつ / ECS / Ca2+ / RyRs / 小胞体 / 海馬 / 電気けいれん療法 / リアノジン受容体 |
Outline of Research at the Start |
うつ病は現代社会においてごく一般的な疾患であるが、その発症機序の多くは判っておらず、現行の薬物治療では治療困難な(難治性)患者も少なくない。私たちはこれまで治療効果の高い電気けいれんショック(ECS)をうつ様モデルマウスに施し、リアノジン受容体(RyRs)を介した小胞体からのCa2+放出がECSの抗うつ効果発揮に重要であることを報告した。本研究はうつ病とRyRsの関係を明確にすべく、中枢神経系Ca2+シグナル経路のうちのCa2+ポンプおよびRyRsを介したCa2+放出で過分極を引き起こすCa2+感受性K+チャネルを中心に検討し、RyRsが新規抗うつ薬開発のターゲットとなりうるかを模索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はうつ病とCa2+シグナル経路との関連を主軸として電気けいれん療法(ECT)の抗うつ効果メカニズムの一部を解明し、新たな創薬のターゲットを探ることを目的とする。 拘束水浸漬ストレス負荷によって自然発症的にうつ様状態を誘発させたモデルマウスでは、海馬でリアノジン受容体(RyRs)のタンパク発現量が有意に増えているにも関わらずRyRsを介したCa2+放出能は低下し、電気けいれんショック(ECS)でうつ様症状が改善されると発現量もCa2+放出能も回復する。初年度である本年度はうつ状態でのRyRsと抑制性のKCaチャネルの関係を調べるためにスライス標本を作成し、Ca2+放出能を測定した海馬歯状回顆粒細胞のパッチクランプを試みた。しかし画像取得用PCのトラブルもあり、今年度は成功に至っていない。 一部計画を変更し、うつ様状態での小胞体の変化を電顕をもちいて形態学的に検討した。RyRsが存在する滑面小胞体には目立った変化は見受けられなかったが、海馬歯状回門においてECS処置によるシナプス小胞の増加が確認され、シナプス形成も増加傾向が見受けられた。次年度以降、パッチクランプに加えて滑面小胞体の変化の有無をより正確に調べるために生化学的検討を行う。また、RyRsのタンパク量やCa2+放出機能の変化への関与を検討するため存在領域及び密度を免疫電顕によって調べることで、RyRsだけでなく細胞内Ca2+ストアおよびCa2+の取り込み機構にも何らかの変化があるのかを探る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
うつ様モデルマウスの海馬スライスを用いて海馬歯状回の顆粒細胞の興奮性を調べるため、Ca2+感受性K+チャネルの変化をパッチクランプ法による検討を試みた。数個の細胞を捉えることができたが、ギガシールを維持できず、データ取得には至っていない。さらに画像取得用PCに不具合が生じたため、更新手続きを行った。しかし海外の情勢により納品がどんどん延長され、数ヶ月以上更新できなかったことから年度内はほぼ実験できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
パッチクランプの成功率があまり上がらないことから、電位感受性色素による実験を中心に切り替える。さらに形態学的に小胞体の変化を調べるとともにRyRsのうつによる増加の理由を探るべく存在領域及び密度の検討のため免疫電顕を行う計画を追加した。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)