局所効果が全身へ波及する無機ナノ粒子併用免疫放射線治療戦略
Project/Area Number |
22K15845
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
窪田 光 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60824208)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 放射線治療 / 免疫チェックポイント阻害剤 / アブスコパル効果 / 免疫放射線治療 |
Outline of Research at the Start |
放射線治療と免疫チェックポイント阻害剤を併用した免疫放射線治療の抗腫瘍効果の増強を目指して、過酸化チタンナノ粒子(Titanium peroxide nanoparticle:TiOxNPs)に注目した。TiOxNPsは放射線照射により大量の活性酸素種産生を導く。この効果は腫瘍細胞の免疫原性細胞死の引き金となり、腫瘍抗原の大量放出を生じる。腫瘍抗原を認識した腫瘍選択的細胞傷害性T細胞は局所効果のみではなく、全身へのアブスコパル効果が期待できる。本研究ではTiOxNPsを免疫放射線治療に併用しアブスコパル効果を誘導する、世界初の新規免疫放射線増感戦略を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、免疫チェックポイント阻害剤と放射線治療との併用への期待は大きく、臨床でも免疫放射線治療が確立しつつあるものの、さらなる新規治療開発が期待される。我々は免疫放射線治療の抗腫瘍効果増強を目指して、過酸化チタンナノ粒子(TiOxNPs)に注目した。TiOxNPsは放射線照射により大量のROS を発生させ、最終的に照射局所における腫瘍細胞の免疫原性を増強し、さらに腫瘍特異的細胞傷害性T細胞の活性化をもたらす。このような免疫学的変化は照射局所のみでなく全身的な抗腫瘍効果(いわゆるアブスコパル効果)を増強することが可能ではないかと考えた。つまり、放射線治療とTiOxNPsにICIと併用することで、照射局所のみでなく、全身的なアブスコパル効果を誘導する新規免疫放射線治療戦略を確立することが本研究の目的である。すでに我々はTiOxNPs、放射線治療、免疫チェックポイント阻害剤による抗腫瘍効果をin vivoで確認した。これら3者併用療法により著名な抗腫瘍効果が得られる事がわかった。興味深いことに、抗CD8抗体を併用すると、この抗腫瘍効果が減弱する事も同時に確認された。つまり、腫瘍局所に浸潤したCD8の活性化がこの反応には重要である事が示された。また、照射局所の腫瘍免疫状態の変化を免疫染色で確認した。免疫染色では、放射線治療および過酸化チタンナノ粒子の併用により腫瘍組織においてPDL1発現増強等が認められ、免疫チェックポイント阻害剤の効果がより増強することが期待できる結果を得た。さらに我々はin vivoにおいて、3者併用療法による二次リンパ組織における免疫状態の変化をとらえつつある。これにより全身へ治療効果が波及する無機ナノ粒子併用免疫放射線治療戦略が確立する可能性が示唆されつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、本研究課題は概ね順調に進展している。In vivoでの過酸化チタンナノ粒子、放射線治療、免疫チェックポイント阻害剤による抗腫瘍効果に関しては一定の実験結果が得られている。また、腫瘍組織における免疫状態の変化は免疫染色で明らかになりつつある。放射線治療と過酸化チタンナノ粒子の併用により、in vivoでの腫瘍組織免疫染色でPDL1やケモカインの増強が確認され、仮定していた免疫状態の変化が得られている。全身への効果波及に向け、さらなる免疫状態変化のモニタリングを目的としてTCRレパトア解析を確認中である。
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Strategy for Future Research Activity |
In vivoでは、照射局所における過酸化チタンナノ粒子、放射線治療、免疫チェックポイント阻害剤の3者併用療法による抗腫瘍効果は確認できているものの、照射野外病変における抗腫瘍効果の確認は今後検討していく。ただし、照射前後の腫瘍を移植するタイミングなど様々な課題を有しているため、今後文献調査が必要ではあるが、実験プロトコールを作成後には実験を開始できる状況である。 本研究における3者併用療法による抗腫瘍効果には腫瘍組織におけるCD8陽性T細胞が重要であることは明らかになっており、過去の文献からもその重要性は明らかである。さらなるCD8陽性T細胞の状態をモニタリングするためTCRレパトア解析が重要となってくるる。さらに照射局所のみでなく、腫瘍免疫サイクルの一部を担う二次リンパ組織での免疫状態の変化を捉える事が必要であり、蛍光免疫染色により検討していく。 研究推進のため本分野に精通した神戸大学放射線腫瘍科の研究者にも協力、助言を依頼する。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Income and Employment of Patients at the Start of and During Follow-up After Palliative Radiation Therapy for Bone Metastasis2023
Author(s)
Shirato H,Harada H,Iwasaki Y,Notsu A,Yamada K,Uezono H,Koide Y,Wada H,Kubota H,Shikama N,Yamazaki T,Ito K,Heianna J,Okada Y,Tonari A,Takahashi S,Kosugi T,Ejima Y,Katoh N,Yoshida K,Komiyama T,Uchida N,Miwa M,Watanabe M,Nagakura H,Saito T,Ikeda H,Asakawa I,Seiichiro T,Takahashi T,Shigematsu N
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Journal Title
Advances in Radiation Oncology
Volume: 8
Issue: 4
Pages: 101205-101205
DOI
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