Project/Area Number |
22K15894
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
相原 悠 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 小児神経診療部, レジデント (70909366)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 胎盤形成不全 / トロフォブラスト幹細胞 / 遺伝子改変マウス / 胎盤 / 胎生致死 / 先天異常 |
Outline of Research at the Start |
胎盤は胎児へ栄養や酸素供給を行い正常な発生を担う必要不可欠な臓器であるが、胎盤が正常に形成される機序は未解明な部分が多く残る。申請者は、遺伝子Xに機能異常を起こすように設計した遺伝子改変マウスでは胎盤形成障害を伴い胎児が母体内で死亡することを発見した。そこで、本研究では、遺伝子Xの異常により胎盤形成に関わる幹細胞に異常が起こることを示し、胎盤および胎児の正常な発生において遺伝子Xが重要な役割を果たしていることを示すことを目標とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
胎盤は母体と胎児の血流が交わる唯一の器官であり、胎児へ栄養や酸素供給を行い正常な発生を担う必要不可欠な臓器である。遺伝子Xにナンセンス変異を導入したマウス(遺伝子X改変マウス)のホモ個体では胎盤形成障害を伴う胎性致死となることを発見した。遺伝子Xの機能はまだ詳細が知られていないが、胎盤および胎児の正常な発生において遺伝子Xが重要な役割を果たしていることを我々は発見した。この研究の目的は、遺伝子Xがどのようなネットワーク・パスウェイ上に存在し、正常な胎盤・胎児発生にどのように関与しているかを明らかにすることである。 令和4年度においては、遺伝子XをノックダウンするためにsiRNAを発現するレンチウイルスを作成した。分与された野生型マウス由来のトロフォブラスト幹細胞の維持培養を行なっており、レンチウイルスを用いて遺伝子Xをノックダウンすることに成功した。現在は分化異常の有無を遺伝子発現量の評価によって判定するためRNA-seqを施行し解析しているところである。 また、野生型・遺伝子X改変マウスの胎児・胎盤のRNA-seqは終了し、ドライ解析も概ね基礎的な部分は完了している。トロフォブラスト幹細胞のRNA-seqデータと合わせて解析することで、遺伝子Xが胎盤の分化・発生において果たしている役割やパスウェイを検討していく予定である。 暫定的な評価として、遺伝子Xは小胞体・ゴルジ体の形成・維持・輸送に関するネットワーク上で重要な役割を果たしている可能性がある。ホモ個体の胎盤においてはトロフォブラスト細胞の数が少なく、小胞体の形成不全によるタンパク質合成障害がこの胎盤形成不全に影響している可能性を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子X改変マウス由来のトロフォブラスト幹細胞の樹立については、マウスのバックグラウンドがC57BL/6であることから幹細胞の樹立効率が低く、樹立に難航している。一方、東北大学大学院医学系研究科情報遺伝学分野より他のバックグラウンドを持つ野生型マウス由来のトロフォブラスト幹細胞を分与されており、この野生型トロフォブラスト幹細胞の維持培養およびレンチウイルスを用いたRNAiによる遺伝子Xのノックダウンは完了しており、分化異常の有無を遺伝子発現量の評価によって判定するためRNA-seqを施行したところである。 また、野生型・遺伝子X改変マウスの胎児・胎盤のRNA-seqは終了し、ドライ解析も概ね基礎的な部分は完了している。今後、トロフォブラスト幹細胞のRNA-seqデータと合わせて解析することで、遺伝子Xが胎盤の分化・発生において果たしている役割やパスウェイを検討していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
野生型・遺伝子X改変マウスの胎児・胎盤、遺伝子Xが野生型のマウス・トロフォブラスト幹細胞および遺伝子Xをノックダウンしたマウス・トロフォブラスト幹細胞のそれぞれに対するRNA-seqの結果を詳細に解析・比較し、野生型に対して遺伝子X改変マウス・細胞では分化異常を呈するか否かを分子マーカーの遺伝子発現量を評価し判定する。 遺伝子Xが胎児・胎盤の発生において重要なネットワーク・パスウェイ上に存在することがわかった場合、それぞれのネットワーク・パスウェイ上の遺伝子・タンパク質の発現量を検討し、遺伝子Xの作用機序・相互作用を明らかにしたい。
|