Antibody avidity maturation as index for Immune resilience against SARS-CoV-2
Project/Area Number |
22K15927
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
中釜 悠 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60846880)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | アビディティ / 抗体成熟 / COVID-19 / SARS-CoV-2 / 変異株 / アビディティー |
Outline of Research at the Start |
次々に出現する新型コロナウイルス変異株の脅威に、我々は追加ワクチン接種による免疫増強や、小児人口のワクチンカバレッジ強化、の意思決定を迫られている。しかし、その是非を議論するための科学的根拠は脆弱であり、ワクチン誘導免疫の特性について理解の途上にある。本提案では、回復者及びワクチン接種者血清中にみられる「抗体親和性成熟化」が「ウイルス中和活性」の規定因子であることを立証し、構造生物学的プロセスを生物学的アウトカムへと繋げる。抗原抗体反応の親和性を表す「アビディティー」のモニタリングから、抗体成熟化過程の分子基盤を解明し、ポストワクチン時代における「防御免疫指標」の1つに提案することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究開発においては、獲得抗体レパトワに加えて、標的エピトープに対する抗体結合親和性(アビディティ)が、中和能の強力な規定因子であることを立証してきた。感染回復者より得た血清試料を用いて、抗体アビディティ成熟が、ウイルス中和能の「広域化」に特に重要であることを示すことに成功した(doi: 10.1093/infdis/jiac492)。さらに、ワクチン被接種者におけるアビディティ成熟と、回復者におけるそれとを相互比較することで、異なるモードの獲得免疫ごとに、アビディティ成熟の時系列変化に違いがあることを明らかにした。ワクチン被接種者のウイルス中和能において、アビディティ成熟の寄与度は相対的に小さく、同知見は再感染に比し、ブレイクスルー感染のリスクが高いことを説明する知見と考えられた。さらに、この2種類の獲得免疫におけるアビディティ成熟のカイネティクスの違いは、ハイブリッド免疫の優れた防御能を説明する一要因であることを報告した(doi: 10.3389/fimmu.2023.1087473)。ワクチン戦略のカバー対象が、一般人口から、より脆弱なリスク集団へと遷移する中、本研究では初めに、肺がん(doi: 10.1080/21645515.2022.2140549)、及び血液腫瘍患者(doi: 10.1016/j.jiac.2022.09.018)における、ワクチン接種後の免疫構築異常を明らかにした。上記の一連の研究成果が評価され、JITMM 2022 YIA、Roche Infectious Disease Award 2022、第31回 日本医学会総会 研究奨励賞、を受賞した。これまで80歳以上の超高齢者、小児被験者の抗体保有調査を実施済みであるが、現在、これら免疫応答が特殊な集団の試料に着目し、2次解析として抗体アビディティ評価を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
15merのオーバーラッピング・ペプチド・アレイを構築し、血清抗体の標的エピトープ・マッピング高解像化を達成した。変性剤存在化ELISAのハイスループット系を樹立し、血清抗体アビディティ・インデックスの測定を効率化した。 その後、自然感染者を対象とした臨床研究を立案、実施し、感染後の血清抗体レパトワ、アビディティ・インデックス、ウイルス中和能を測定し、ウイルス中和能がレパトワ及びアビディティ・インデックスの双方に規定されることを立証した。臨床研究の計画変更により、自然感染者に加え、ワクチン被接種者のリクルートが実現し、自然感染およびワクチン接種、2種類の異なるモードの獲得免疫が誘導する血清抗体について、それぞれの標的エピトープ、及び抗体成熟化の動態を比較・検討した。 結果、抗体アビディティ成熟は、特に中和能広域化に重要であり、2ドース目までのワクチン接種においては、中和能におけるアビディティ成熟の寄与度は相対的に小さいことが明らかとなった。さらに、ハイブリッド免疫の優位性、肺がん、及び血液腫瘍患者など脆弱集団の免疫構築を、アビディティ成熟の観点からも評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
ワクチン戦略のカバー対象が、一般人口から、より脆弱なリスク集団へと遷移しつつある状況を鑑み、本研究の分析対象についても、80歳以上の超高齢者、および小児被験者を抗体アビディティ成熟のモニタリング対象者に加える。アビディティ成熟がウイルス中和能の普遍的指標たるか、を特殊な免疫を持つ集団を広く分析対象に加えることで、立証する。なお、短鎖ペプチドを固着したSPRセンサーチップを用いた、精製血清IgGの結合・解離カイネティクス分析を組み合わせ、高親和性抗体の構造的背景の統合的理解を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)