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ジスルフィド消失TPO変異による先天性甲状腺機能低下とERストレス発生機序の究明

Research Project

Project/Area Number 22K15930
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
Research InstitutionTokyo Medical University

Principal Investigator

谷古宇 史芳  東京医科大学, 医学部, 助教 (00817348)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Keywordsジスルフィド結合 / ペルオキシダーゼ活性 / プロテアソーム / in silico立体構造解析 / 先天性甲状腺機能低下症 / TPO変異 / 小胞体ストレス / 分子シャペロン
Outline of Research at the Start

本研究では、ジスルフィド結合消失による立体構造の変化を伴うTPO変異が先天性甲状腺機能低下症(CH)を起こすメカニズムを明らかにし、CHによる脳の発達や学習への影響を観察する。メカニズムの一部に小胞体(ER)ストレスや分子シャペロンの関与が予想され、TPO変異マウス(p.Cys693Phe)を用いた動物実験で変異マウスの学習能の評価、脳及び甲状腺組織の観察、 RNA解析を行いつつ分子シャペロン及びERストレス応答を解明する。 細胞実験ではジスルフィド結合消失をきたすTPO変異をヒト胎児腎細胞に導入し、TPO機能解析及び細胞レベルでのERストレス応答を確認し、免疫染色による細胞内局在を調査する。

Outline of Annual Research Achievements

先天性甲状腺機能低下症(CH)は頻度の高い先天性内分泌機能障害として知られているが、 適切な治療介入がなければ精神遅滞を合併し得る。甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)変異はCHをきたす代表的な遺伝型だが、そのメカニズムや脳の発達への影響は明らかにされていない。
我々が報告したTPO変異(以下Cys655Phe)症例においても精神遅滞を認めた。TPO変異による機能低下の要因として、仮説であるがジスルフィド結合の消失によるタンパクの不安定化、ユビキチン化の障害、分子シャペロンを含むERストレスを介する機序等が推測された。TPOのタンパク構造においてシステイン間で成り立つジスルフィド結合がTPOの機能と構造の維持に重要であると考えられるため、ジスルフィド結合消失によるERストレスや分子シャペロンの発生が甲状腺機能低下の病態に関与するかが本研究課題の問いである。
令和4年度にin silico立体構造解析によりTPOにおける12か所のジスルフィド結合を同定し、ジスルフィド結合を構成するシステインをセリンに置換したプラスミドをヒト胎児腎細胞株にトランスフェクションし、各々のペルオキシダーゼ活性を測定し、野生型と比較
しすべての変異型における活性低下を認めた。また既知のTPO変異であるCys655PheとCys825Argにおいて、プロテアソーム阻害薬付加後のタンパク発現量とペルオキシダーゼ活性の測定により、TPOのジスルフィド結合消失による立体構造変化と同時に、プロテアソームの分解がペルオキシダーゼ活性の低下に関与する可能性が示された。
上記の研究成果をまとめ令和5年度に当科で第66回日本甲状腺学会総会で発表し、若手奨励賞を受賞した。また、上記研究結果を論文にまとめ、英文雑誌Thyroidに投稿しacceptされた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

我々の以前に報告した変異以外のジスルフィド結合に関与する他のTPO変異における機能低下を細胞実験レベルで示すことで、野生型と比較したTPOの細胞内局在の差異を動物実験を行う前に示したいと考えていた。
令和4年度においてin silico立体構造解析により12か所のジスルフィド結合を同定し、それぞれ置換したプラスミドをヒト胎児腎細胞株にトランスフェクションし、各々のペルオキシダーゼ活性を測定したところ野生型と比較し全ての変異型は70~90%の活性低下を認めた(P<0.01)。さらに細胞実験によりTPO変異ではのジスルフィド結合消失による立体構造変化自体と同時に、プロテアソームによる分解がペルオキシダーゼ活性の低下に関与する可能性をまとめていた。
さらに令和5年度は免疫染色も追加し、WTではTPOが細胞膜でも見られたが、Mutantでは小胞体に留まっていること、更にMG132投与後は, MutantでもTPOが細胞膜で認められることを明らかにした。上記内容の報告を令和5年度の第66回日本甲状腺学会総会で行い、若手奨励賞を受賞した。また、上記研究結果を論文にまとめ、英文雑誌Thyroidに投稿しacceptされた。
令和6年度は上記研究成果を踏まえて、動物実験を行い生体におけるTPOの局在、変異マウスと野生型マウスの脳の発達やTPO機能活性等の比較を行い、経過をまとめ学会報告並びに論文での報告を検討している。

Strategy for Future Research Activity

予定していた細胞実験においてはほぼ完了し、令和6年度は動物実験に注力して行う方針である。
TPO変異マウスに関しては、natural mutantの報告はあるが、ノックインマウスの報告はない。そこで今回発見した新規TPO変異の655のSNPのノックインマウスをCRISPR/Cas9の技術にて成育医療センター協力のもと作成した。タイピングにてヘテロ変異を確認し、このマウスを掛け合わせてホモ変異マウスを作成した。
ホモ変異マウスにおける甲状腺組織の観察とTSH、FT3,4を測定による甲状腺ホルモン低下を実際に確認していくことが2023年度の指針である。また、ERストレス過多でアポトーシスを誘導されているのか、もともと形成異常を生じているのか検討する必要があると考えている。
マウスの発達途中で甲状腺ホルモンを投与し、ローターロッドテストなどで運動学習能の改善を確認する。その他にもRNA-Seqで各遺伝子の発現量の変化を確認し、Ki69などの染色にて細胞増殖能などを確認したいと考えている。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Disulfide Bonds of Thyroid Peroxidase Are Critical Elements for Subcellular Localization, Proteasome-Dependent Degradation, and Enzyme Activity2024

    • Author(s)
      Hajime Iwasaki, Hirotsugu Suwanai, Fumiyoshi Yakou, Hiroyuki Sakai, Keitaro Ishii, Natsuko Hara, Ashley M. Buckle, Kohsuke Kanekura, Tamami Miyagi, Satoshi Narumi, and Ryo Suzuki
    • Journal Title

      Thyroid

      Volume: オープンアクセスで巻なし Issue: 5 Pages: 659-667

    • DOI

      10.1089/thy.2023.0514

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] 甲状腺ペルオキシダーゼ活性における ジスルフィド結合の重要性の検討2023

    • Author(s)
      岩崎 源, 諏訪内 浩紹, 谷古宇 史芳, 石井 慶太朗, 原 菜津子, 金蔵 孝介, 鳴海 覚志, 鈴木 亮
    • Organizer
      第66回日本甲状腺学会学術集会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] ジスルフィド結合の消失を伴う甲状腺ペルオキシダーゼ変異の機能と構造解析2022

    • Author(s)
      岩崎 源
    • Organizer
      第95回日本内分泌学会学術総会
    • Related Report
      2022 Research-status Report
  • [Presentation] Functional and structural analysis of thyroid peroxidase mutations with loss of disulfide bonds.2022

    • Author(s)
      岩崎 源
    • Organizer
      第190回東京医科大学医学会総会
    • Related Report
      2022 Research-status Report

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Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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