Development of methodology detecting immunoglobulin related fusion genes in pediatric leukemia/lymphoma
Project/Area Number |
22K15933
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
渡部 悟 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児血液・腫瘍研究部, 研究員 (00829418)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | リンパ腫 / 小児白血病 / 次世代シークエンス / 小児がん / 白血病 |
Outline of Research at the Start |
小児白血病/リンパ腫には既存の検査法で遺伝子異常を検出できず、どれにも分類できない症例が多数存在しており、新たな検出方法の確立と分類が急務となっている。研究申請者が既に開発しているカスタムパネルをさらに改良して、解析ができていない小児ALLのB-others症例、B-NHL症例に対象を広げてRNA target capture sequencing法を行うことで、より高度な融合遺伝子の検出方法を確立するとともに、新規融合遺伝子を同定する。さらに、予後情報と統合的に解析し、治療標的となる遺伝子異常の検索や治療の層別化に利用することで予後の向上に役立てる。
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Outline of Annual Research Achievements |
小児のリンパ腫(Lymphoma)は小児がんにおいて、白血病、脳腫瘍、神経芽腫に続く第4位の発症頻度であり、全体の10%前後を占めており、その中でも成熟B細胞リンパ腫(Mature B-cell lymphoma, B-NHL)の頻度が最も多い。B-NHLには主に、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 (Diffuse Large B-cell Lymphoma, DLBCL)、バーキットリンパ種 (Burkitt Lymphoma, BL)があるが近年高悪性度B細胞リンパ腫(High-grade B-cell lymphoma, HGBL)と呼ばれる疾患群がWHO分類改訂第4版(2017)にて分類・記載されたがDLBCL、BL、HGBLの境界は不明瞭である。これらの疾患群はIg、BCL2、BCL6、MYC領域の遺伝子異常を踏まえ、病理組織学的診断によって分類されているが、既存の検査法で遺伝子異常を検出できず、分類不能症例が多数存在しており、新たな診断方法の確立と正確な分類が急務となっている。事前に平成31年度若手研究「小児白血病の発症・予後に関連する免疫グロブリン領域関連融合遺伝子の検出法の開発」で、Ig、BCL2、BCL6、MYC領域を含めたRNA Target Captureシークエンス用のカスタムパネルを開発しており、令和5年度はこのパネルを使用して、既存の検査で特定の遺伝子異常が検出できず分類不能なB-NHL症例10数件を対象に解析し、データの精査を行った。令和6年度は前年度のデータからカスタムパネルのアップデートを行い、さらにB-NHL症例10数件を対象に解析を行った。現在はデータの精査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在解析しているB-NHL症例は数例ずつのプール検体としてライブラリ作製からシークエンスを行い、免疫グロブリン領域の遺伝子変異の検出を行う。現在はデータの解析中であり、融合遺伝子の候補が検出された検体に関して適切なprimerを作製しサンガーシークエンスによる切断点の確認を行う。また現在Ig、BCL2、BCL6、MYC領域を含めたカスタムパネルを使用しているが、Agilent社が従来のSureSelectターゲットエンリッチメントシステムに新たなAI技術を導入したパネル設計法が開発しており、それに起因するカスタムパネルのアップデートを同時に行っている。免疫グロブリン領域はその構造上極めて変異が入りやすく既存の定量PCR法やWTSでの検出が困難であることからcapture probeの配列や密度を修正し、より検出率を向上させることが目的である。令和5年度のデータからカスタムパネルの修正を行い、免疫グロブリン領域でも比較的大きな構造以上である転座の検出は概ね可能となった。現在はアップデートしたカスタムパネルを使用するためのプール検体の作製とデータの解析中であり、融合遺伝子の検出率、適切なリード量、デプスの確認等でパネルの評価を行っている最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5~6年度は、免疫グロブリン領域を対象とするカスタムパネルを用いて、FISH法、定量PCR法等の既存の遺伝子異常を検出できないB-others、B-NHLについて、カスタムパネルの更新・改善を行いながら、数十症例についてRNA target capture sequencing解析による融合遺伝子解析診断法の開発を行う。得られたデータの解析を行い、候補融合遺伝子を抽出する。各々の配列に対してprimerを設計し、サンガーシーケンスでvalidationを行い、候補遺伝子を絞り込む。また、新規に同定されたIg関連融合遺伝子については機能解析と、造腫瘍性について検討を行い、Ig、BCL2、BCL6、MYC関連融合遺伝子の疾患entityを明らかにする。さらに過去の臨床試験で得られた予後情報等の臨床情報と統合的に解析し、治療標的となる遺伝子異常の検索や治療の層別化に利用することで、予後の向上に役立てる。Ig領域はその構造上極めて変異が入りやすく既存の定量PCR法やWTSでの検出が困難であることから、Ig領域を含む融合遺伝子の検出にはG-bandやFISH法による染色体検査やSNPアレイ解析による検討が主であったが、今回のRNA target capture sequencing解析によって治療標的が明らかになれば、これまで治療法が確立されていなかった症例に対して、治療法を提示することが可能となり同腫瘍の臨床研究推進に大きく貢献し、小児がん診療の質向上に寄与できることが期待される。最終年度はこれまでのシークエンスデータの解析と統合を行い、研究の統括を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)