Project/Area Number |
22K15949
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
宮垣 知史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30909495)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | エリスロポエチン / 褐色脂肪細胞 / 分化誘導 / 機能活性化 / 褐色脂肪細胞/組織 / 小児肥満 / 肥満治療 |
Outline of Research at the Start |
肥満は全年代に渡って存在し、様々な合併症の温床となり得る重大な疾患である。さらに近年、小児期肥満の成人期への持ち越しが問題視されている。我々は、小児肥満への有効な治療法を開発するべく、熱産生を介してエネルギーを消費する臓器として知られ、かつ成人期よりも小児期に多く存在する褐色脂肪組織に着目した。本研究では、エリスロポエチン(EPO)の造血作用以外の働き、すなわち糖代謝・脂質代謝といったエネルギー代謝を改善させる作用を利用し、EPOによる褐色脂肪組織の活性化を介した抗肥満効果のメカニズムの解明を狙う。これにより、小児肥満に対する治療戦略の開発、さらに成人期の肥満人口の減少にも繋がると考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
不死化前駆褐色脂肪細胞に対する分化誘導開始日をday0とし、day0からエリスロポエチン(以下EPO)および比較対象としてCL316,243(選択的β3アドレナリン受容体アゴニスト、以下CL)を継続投与した。day4,6,8の各段階におけるOil Red O染色で、Control群に比してCL群では脂肪滴が増加(褐色脂肪細胞への分化促進)していたのに対し、EPO群では濃度依存性に脂肪滴形成が減弱していた。day8蛋白サンプルを用いたWestern blottingでは、褐色脂肪マーカーのPRDM16やPGC1-α、脂肪滴形成マーカーのperilipin発現量がEPO濃度依存性に低下していた。さらに、day2のmRNAサンプルでは、褐色脂肪マーカーのPPARγ,Cidea,Elovl3,CEBPα発現量がEPO濃度依存性に低下していた。このことから、前駆細胞の分化過程においてEPOは褐色脂肪細胞の成熟を抑制する作用を持つことが示唆された。 次に、分化誘導のみ施した細胞にday6からEPOやCLを投与して検討した。day8のOil Red O染色では、Control群に比してCL群では脂肪滴がさらに増加したのに対して、EPO群では濃度依存性に脂肪滴の増加が抑制された。day8のmRNA発現量の比較では、UCP1,PRDM16,PGC1-α,Cidea,Elovl3,FGF21がEPO濃度依存性に増加していた。このことから、成熟が進んだ段階ではEPOは褐色脂肪細胞を活性化し、脂肪滴をエネルギーとして消費する可能性が示唆された。 EPO投与による下流の蛋白リン酸化の時間的変化を評価した。分化誘導day2の細胞にEPOを投与すると、投与後15-30分にEPO受容体のリン酸化がピークを迎え、並行してSTAT3のリン酸化が確認された。加えて、同時期からErk1/2のリン酸化が増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は、現在研究施設のある大学病院から離れた場所の病院で常勤医として臨床業務に携わっており、研究活動は週1回の研究日および日常の病院業務時間外に大学病院に通って行っているという状況である。そのため、当初の予定よりやや遅れる一因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの実験で得られた結果は有意義な物であり、これを元にして今後の研究の推進方策を考えている。 これまで得られたデータを補完するような詳細なシグナル伝達について、これまで同様の研究手法により検証を深める。さらに、不死化前駆褐色脂肪細胞にEPOを投与した場合に見られる一連の変化がEPO受容体を介した直接的な効果であるかどうかを検証するため、EPO受容体をRNA silencing手技によりknockdownした前駆褐色脂肪細胞を作成し、EPO投与後のシグナル伝達の変化についてwild typeと比較検討する。 また、in vivoの実験系においても、高脂肪食による食餌誘発性肥満モデルマウスに対してEPOを投与してin vitroと同様の結果が得られるか様々な視点で詳細な検討を行う。加えて、褐色脂肪組織特異的にEPO受容体をknockoutさせたマウスを用いて、wild typeとの比較検討を行うことも考えている。
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