Project/Area Number |
22K15970
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
具嶋 亮介 熊本大学, 病院, 講師 (10894743)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 表在型食道癌 / リスク因子 / 食道癌 |
Outline of Research at the Start |
本邦の食道癌は90%以上が扁平上皮癌であり、喫煙や飲酒歴を持つ男性に多い。一方で、扁平上皮癌の危険因子(喫煙歴・飲酒歴)のない女性の食道癌を診療する機会が増えており、これらの食道癌の内視鏡的特徴として線状不染帯であることが報告されているが、これらの食道癌の発癌メカニズムは未だ不明である。本研究では、危険因子のない食道扁平上皮癌の発癌のメカニズムとして癌および背景粘膜のゲノム・エピゲノム異常に着目し、食道扁平上皮癌の新しい危険因子の同定を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
食道扁平上皮癌は飲酒・喫煙等のリスク因子のある症例が多いが、近年リスク因子のない女性の食道扁平上皮癌を診療する機会が増えている。アルコールの代謝過程で生成されるアセトアルデヒドが発癌物質として食道扁平上皮癌に関与することは知られている。一方で、欧米ではBarret食道腺癌が多くを占め、その発生経路としてmetaplasia-dysplasia adenocarcinoma sequenceという多段階経路が知られており、胃酸や胆汁酸の逆流による慢 性炎症を基盤として発症すると考えられている。 本研究ではリスク因子(飲酒・喫煙)別の食道扁平上皮癌の発がんのメカニズムを解析している。これまでに表在型食道扁平上皮癌に対して内視鏡切除した症例の背景因子、内視鏡所見、病理所見、再発・予後についてデータベースを構築した。リスク因子別での臨床病理学的所見や再発・予後については見出すことができている。リスク因子別での食道扁平上皮癌の切除標本を用いて、背景食道粘膜と癌部分の核酸を抽出し、次世代シークエンサーを用いて網羅的に遺伝子変異・エピゲノム解析を行うことで新規リスク因子を同定し、喫煙歴・飲酒歴のない食道癌と通常の危険因子のある食道扁平癌を比較し、内視鏡所見との関連と発癌のメカニズムを明らかにすることを目指す。 今年度は従来の食道がんリスク者に発生した表在型食道がん16症例のがん部と、隣接する背景食道粘膜からそれぞれ検体を採取し、RNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析を行った。バイオインフォマティクス解析の結果、がん部において免疫反応にかかわる遺伝子群の発現が有意に高いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年では食道扁平上皮癌の既知のリスク因子の調査や層別化をおこない、男性と女性の精査における臨床病理学的特徴や予後について学会発表等も行ってきた。 リスク因子のある食道癌に関してはRNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析を行った。リスク因子のない女性の症例が少なく、リスク因子のない食道癌の解析が遅れており、更なる症例の蓄積が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
従来の食道がんリスク者に発生した表在型食道がん16症例のがん部と、隣接する背景食道粘膜からそれぞれ検体を採取し、RNA-seqによる網羅的遺伝子発現解析を行った。バイオインフォマティクス解析の結果、がん部において免疫反応にかかわる遺伝子群の発現が有意に高いことが示された。次年度は非飲酒・非喫煙者の表在型食道がん5症例のがん部と、隣接する背景食道粘膜から抽出した核酸を用いた解析をおこない、上記従来の食道がんリスク者16症例の結果と比較することで、非飲酒・非喫煙者における発現変動遺伝子の解析を行う。
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