Project/Area Number |
22K16009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 由宇 北海道大学, 先端生命科学研究院, 博士研究員 (40938057)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | α-defensin / クローン病 / 腸内細菌叢 / プロテアーゼインヒビター / Protein misfolding |
Outline of Research at the Start |
クローン病 (CD)は難治性の炎症性腸疾患の一つであり、その病態形成に腸内細菌叢の破綻 (dysbiosis)が関与する。これまでに小腸Paneth細胞から分泌された高次構造異常α-defensin (還元型α-defensin)がCDにおけるdysbiosisを誘導することが知られている。しかし、還元型α-defensinは本来腸管内腔のプロテアーゼにより容易に分解されることから、CDでは還元型α-defensinの分解を阻害する機構があると考えられる。本研究は、CDの腸管内腔におけるプロテアーゼインヒビター (PI)に着目し、還元型α-defensinの分解阻害機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
クローン病 (CD)は難治性の炎症性腸疾患の一つであり、腸内細菌叢の破綻 (dysbiosis)がその病態形成に関与する。これまでに小腸Paneth細胞から高次構造異常をきたした抗菌ペプチドα-defensin (還元型α-defensin)が分泌されることでCDにおけるdysbiosisを誘導することが知られているが、還元型α-defensinは本来腸管内腔のプロテアーゼにより容易に分解されることから、CDでは還元型α-defensinの分解を阻害する何らかの機構がはたらくと考えられる。 本研究は、CD患者の腸管内腔において増加することが知られているプロテアーゼインヒビターα1-antitrypsin (A1A)が還元型α-defensinの分解阻害を介してCDの病態形成に及ぼす影響を解明することを目的とした。 クローン病モデルマウスSAMP1/YitFcにおいて、回腸炎病態の進行に伴い便中のA1A濃度は有意に増加した。また、SAMP1/YitFc各個体の便中A1A濃度は病態の重篤度、還元型α-defensin分泌量、およびdysbiosisの指標であるα多様性の低下と正の相関を示した。さらに、in vitroにおいて、A1Aは腸管内腔におけるプロテアーゼの一種であるtrypsinによる還元型α-defensinの分解を有意に阻害した。 以上より、腸管内腔におけるA1Aの増加が還元型α-defensinの分解を阻害することでdysbiosisを介したCDの病態形成に関与することを示唆し、高次構造異常α-defensinの分解阻害機構の破綻によるCDの新規病態形成メカニズムの可能性を示した。
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