Project/Area Number |
22K16058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
中野 遼太 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40909975)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | メタボロミクス / IPMN / 膵癌 / バイオマーカー / 質量分析 / 血液 / メタボローム |
Outline of Research at the Start |
膵癌は最も予後不良の癌種で、早期診断の効果的なバイオマーカーは確立されていない。膵管内粘液性腫瘍 (IPMN)は、膵臓癌の明確なリスクファクターであるが、膵癌低リスク状態から悪性化をたどるIPMNの病態は依然不明であり、IPMNの膵癌発症の予測が非常に難しいという現状の課題がある。本研究では、血液メタボローム解析を用いて、IPMNのメタボローム環境を解明し、悪性化をたどるリスクの高いIPMNを検出する、膵癌予測バイオマーカーを確立することを目的とする。本研究により、採血検査という簡便で非侵襲的な方法を用いたIPMN の膵癌発症予測が可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、令和4年度に続いてIPMN、及びIPMN由来膵癌・併存癌のさらなる血液検体の収集を行い、続いてIPMN/IPMN由来浸潤癌/IPMN併存膵癌の患者検体を用いた血漿メタボロミクスによる包括的代謝プロファイリングを行うことにより、膵癌発症高リスクのIPMNを検出するバイオマーカーの作成を行った。収集した血液検体65検体を用いてtraining setを作成し、構築したGC/MSの網羅的解析系の約320化合物に対してメタボローム分析を行った。training setにおいて、IPMNは画像所見や血液検査データ、病状経過から、膵癌発症low riskとhigh riskに層別化し、膵癌発症高リスクと低リスクに群別して比較検討を行った。320化合物のうち、内部標準法として解析できる153化合物に関して、単変量解析により、数種類の代謝物において、膵癌発症高リスク症例と低リスク症例での代謝物濃度の差異が認められ、膵癌高リスクの状態においては、膵癌発症前においてもメタボローム環境に変化を来たす可能性があることを発見した。また、解析した代謝物を用いた多変量解析により、膵癌発症高リスクとなるIPMNを検出する、複数の代謝物を組み合わせたバイオマーカーを構築することができた。現在は、validation setによる検証実験を行うための検体収集を続けており、追加収集した血液検体を用いたvaliation setを作成して、GC/MSでのメタボローム分析によって、training setで構築したバイオマーカーの堅牢性を高めるための検証実験を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度に目標としていたメタボローム解析については、training setを作成し、層別化した高リスクIPMNと低リスクIPMNにおいて、数種類のメタボロームの差異があることを発見した。さらには多変量解析により、バイオマーカーを構築することが可能であった。今後はvalidation setでの検証となっており、概ね順調な経過で研究を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年どは、validation setにおいて、構築したバイマーカーを検証実験を行い、バイオマーカーの堅牢性を高めることを目指す。また、メタボローム解析で得られた結果を代謝経路上にマッピングすることで、IPMNの悪性化に関与する代謝環境、代謝経路を抽出し、IPMNの悪性化を検出するバイオマーカーがもつ代謝物の生理学的意義について考察し、メカニズムを検証するための動物実験などについても検討する。
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