Project/Area Number |
22K16196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
美園 俊祐 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30837779)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 分子細胞呼吸器学 / 肺癌 / mircoRNA / 小細胞肺癌 / microRNA / オープンクロマチン・スーパーエンハンサー |
Outline of Research at the Start |
ゲノムの新しい概念として、細胞はその運命を決定する様な重要な局面において、ゲノム上で「スーパーエンハンサー:SE」と定義される強力な転写調節領域が形成し、細胞の運命を決定する「マスター分子」を発現誘導する、という概念を基にして、癌細胞が抗癌剤に曝露された際に、SCLC細胞は自らの生存を賭けて、SEを形成し、治療抵抗性に関与する「マスター分子」を強力に発現すると考えた。本研究では、治療抵抗性を獲得する際に形成される癌細胞のSEを同定し、「治療抵抗性・SCLC機能性RNA発現プロファイル」を統合させる事で、治療抵抗性に関与する「マスター分子」を同定する事を目的とした。
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Outline of Annual Research Achievements |
小細胞肺癌(SCLC)の臨床的な特徴として、SCLC細胞は初期治療後に治療抵抗性を獲得し、局所再発や遠隔転移を起こす事である。治療抵抗性に至った患者の生命予後は極めて不良であり、殆どの患者は1年以内に亡くなる。治療抵抗性を獲得したSCLC細胞はどの様なゲノム変化を獲得したのか、その変化を明らかにする事で、SCLC細胞の治療抵抗性獲得の分子機序を明らかに出来ると考えた。申請者は、これまでに、治療抵抗に至ったSCLC患者(剖検検体)から、機能性RNA(蛋白コード遺伝子・蛋白非コード遺伝子・マイクロRNA)発現プロファイルを作成し、SCLC癌分子経路の探索を継続している。しかしながら、得られた膨大な機能性RNA分子の中で、治療抵抗性獲得に重要な影響を及ぼす「マスター分子」がどれであるか、更なる解析戦略が必要である。 ゲノムの新しい概念として、細胞はその運命を決定する様な重要な局面において、ゲノム上で「スーパーエンハンサー:SE」と定義される強力な転写調節領域が形成し、細胞の運命を決定する「マスター分子」を発現誘導する、というモデルが提唱された。この概念を基にして、癌細胞が抗癌剤に暴露された際に、SCLC細胞は自らの生存を賭けて、SEを形成し、治療抵抗性に関与する「マスター分子」を強力に発現すると考えた。本研究では、治療抵抗性を獲得する際に形成される癌細胞のSEを同定し、「治療抵抗性・SCLC機能性RNA発現プロファイル」を統合させる事で、治療抵抗性に関与する「マスター分子」を同定する事を目的とした。「マスター分子」は、治療抵抗性を解除する新規治療法の標的分子である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SCLC細胞株に対して、抗癌剤(シスプラチン・エドポシド、イリノテカン)を暴露させ、抗がん剤耐性株を作成し、時間経過に伴い形成される転写調節領域を検出することを試みている。検出方法は、免疫沈降法(Chromatin immunoprecipitation: ChIP)と次世代シークエンサーを組み合わせたChIP-sequenceにより行って、ゲノム上のオープンクロマチン領域の情報を得るためATAC(Assay for Transposase-Accessible Chromatin)シースエンス法を用いて転写が活性化されているゲノム領域を調べる予定である。 これまでに、治療抵抗に至ったSCLC患者(剖検検体)から、機能性RNA(蛋白コード遺伝子・蛋白非コード遺伝子・マイクロRNA)発現プロファイルを作成している。ただ、抗がん剤耐性株の作成に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、SCLC細胞株に対して、抗癌剤(シスプラチン・エドポシド、イリノテカン)を暴露させ、抗がん剤耐性株の作成を行い、時間経過に伴い形成される転写調節領域を検出することを試みる。また、治療抵抗に至ったSCLC患者(剖検検体)から、機能性RNA(蛋白コード遺伝子・蛋白非コード遺伝子・マイクロRNA)発現プロファイルをもとに、癌抑制型マイクロRNAの探索と、マイクロRNAが制御する癌遺伝子の探索も継続して行っていく。
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