Project/Area Number |
22K16210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 和之 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 研究員 (40795259)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | 心腎連関 / 腎糸球体 / マルチオミクス / マルチオミクス解析 |
Outline of Research at the Start |
心腎連関は心血管系と腎臓の一方あるいは両者が障害を受けると双方の病態が加速度的に増悪する、臓器連関の一病態である。心血管病や慢性腎臓病にも深く関与し、その病態解明が与えるインパクトは学問的、社会的にも大きい。しかし、疾患動物モデルの欠如などから、その分子生物学的基盤はいまだ明らかではない。我々はこれまでに新規の心腎連関病態モデルマウスを報告し、同マウスを用いて心腎連関病態の解析と新規治療法の確立を目指している。本研究ではこの心腎連関病態モデルマウスの腎臓を用いて、腎糸球体を単離する過程を経た後に、マルチオミクス解析を行うことで、より腎糸球体病変に特化した心腎連関病態の新規治療法開発に取り組む。
|
Outline of Annual Research Achievements |
近年、単一臓器の障害のみならず、臓器間の相互作用が疾患障害を加速させる病態概念である、臓器連関が注目されている。なかでも心血管系と腎臓における「心腎連関」は、その代表的な病態である。心血管病は悪性腫瘍と並んで我が国の主要な死因であり、腎機能障害や蛋白尿が持続する慢性腎臓病は国民の10人に1人が罹患するとされ、進行すれば透析療法の適応となり医療保険財政を圧迫する。このため、両疾患をともに増悪させる心腎連関の病態解明、とりわけ心臓と腎臓の病態にリンクし、障害を増悪させる因子の探索は、学術的にも社会的にも重要な課題である。しかし、その詳細なメカニズムはいまだ明らかでなく、病態 を再現する有用な疾患モデルや特異的治療法も存在しなかったが、心腎連関病態モデルマウスであるANSマウスの開発や、次世代シーケンサーや質量分析器など、新たな解析手法を用いることで、体組織での遺伝子発現や代謝産物を網羅的に解析することが可能となってきていることから、心腎連関病態においても、こ れらの技術の応用によって解析を進める機運が高まっている。 心腎連関病態の新規治療法の確立のための一手として、本研究では心腎連関、特に腎病態に関与する治療ターゲット因子を同定することを目的ととした。 心腎連関病態モデルマウスであるANSマウスと対照群を作成し、ANSマウスに心腎機能障害が顕在化する介入4週目に採取した腎臓から、腎糸球体を単離し、RNASeqによるトランスクリプトーム(遺伝子発現の総体情報)解析を実施した。この解析結果より、腎障害の中でも糸球体障害に特化した原因/結果としての遺伝子 プロファイリングを網羅的に解析し、いくつかの因子を治療ターゲット候補として同定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに心腎連関病態モデルであるANSマウスの単離腎糸球体及び同一個体の心臓に対するRNAシークエンス解析を実施した。現在解析データを統合することで、心腎連関における共通のレギュレーター因子の同定などの解析が進行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
心腎連関病態モデルマウスであるANSマウスと対照群を作成し、ANSマウスに心腎機能障害が顕在化する介入4週目に採取した腎臓から、腎糸球体を単離し、RNASeqによるトランスクリプトーム(遺伝子発現の総体情報)解析を実施した。この解析結果より、腎障害の中でも糸球体障害に特化した原因/結果としての遺伝子 プロファイリングを網羅的に解析し、いくつかの因子を治療ターゲット候補として同定した。 加えて、腎糸球体を単離したANSマウス同一個体の心臓に対するRNAシークエンスを実施し、解析データを統合することで心腎連関における共通のレギュレーター因子の同定などの解析が進行中である。 また平行して、ANS処置後1週間の短期病態、及び1年以上経過した後の長期病態について心臓・腎臓の解析を行い、急性腎障害から慢性腎臓病といったさまざまな腎障害フェーズにおける心腎連関病態の解明を試みている。
|