Project/Area Number |
22K16237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮川 太郎 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (20738207)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 急性腎障害 / D-アミノ酸 / COVID-19 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、COVID-19に伴うAKIの病態を解明し、その進展を抑制することである。申請者らは、腎障害により腸内細菌叢が変化する腸腎連関および腸内細菌がD-アミノ酸を産生し、血液を介して腎臓を保護する仕組みを解明した。この点からCOVID-19に伴うAKIの発症・進展機序にD-アミノ酸が関与すると仮説を立てた。金沢大学附属病院へ入院したCOVID-19患者の保存血清・尿検体を用いて、AKI合併の有無に分けてD-アミノ酸の動態や機能・遺伝子解析を検討する。この研究によりCOVID-19に伴うAKIの発症・進展機序が明らかとなり、バイオマーカー候補など新たな知見を得ることが可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う急性腎障害(Acute Kidney Injury、以下AKI)の病態を解明すること、およびその進展を抑制することである。そのため、第一に2020年4月15日から2021年3月24日の間、金沢大学附属病院へ入院したCOVID-19患者50名から得られた臨床的特徴を解析した。 解析した50名のうち、AKI合併例は18例、AKI非合併例は32例であった。両群間(AKI合併例:AKI非合併例)の比較において、71.4歳:63.6歳とAKI合併例が高齢であったが有意差は認めなかった(p=0.09)。性別、身長、体重、合併症(糖尿病、高血圧)、重症度(人工呼吸器併用、ECMO併用、心筋障害)の有無に差はなかった。AKI合併例において、有意に平均入院期間が長かった(32.4日:16.1日、p=0.002)。その他、AKI合併例は、入院時の血清Cr値が高く(1.08 mg/dL:0.65 mg/dL、p=0.005)、入院中の尿中βミクログロブリン高値(25128 μg/L:7174 μg/L、p=0.04)、尿中NAG高値(33.4 IU/L:12.0 IU/L、p=0.01)およびFDP-Dダイマー高値(28.8 μg/mL:4.3 μg/mL、p=0.003)といった検査値異常の特徴を有していた。なお、AKI合併の有無で転帰に差は認めなかった。引き続いてD-セリンを含めたキラルアミノ酸のメタボロミクス解析を予定とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床的特徴に引き続き、D-セリンを含めたキラルアミノ酸のメタボロミクス解析を予定とした。しかし、研究を進めるなかでCOVID-19における流行により、変異株が本研究の解析対象としたアルファ株・ベータ株・デルタ株からオミクロン株へと推移した。前者の変異株は世界的な検出数が大幅に減少していることから、今後の臨床的意義を踏まえ、解析対象を再検討した。以上を踏まえ、オミクロン株を変異株の主体とし、金沢大学附属病院へ入院したCOVID-19患者を研究対象とした。 上述の理由から、研究の進捗が遅れる結果となったが、当研究室における経験豊富な研究協力者と密接に連絡、相談しながら研究を進める方針である。
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Strategy for Future Research Activity |
改めて、オミクロン株を変異株の主体とし、金沢大学附属病院へ入院したCOVID-19患者を研究対象とした。まずAKI合併の有無により改めて臨床的特徴を解析し、得られた保存血清および尿検体を用いてD-アミノ酸、ことにD-セリンを含めたキラルアミノ酸のメタボロミクスを行う。さらに、AKI合併の有無によってキラルアミノ酸代謝マップをそれぞれ作成する方針である。
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