日本人Gitelman症候群の全容解明に向けた研究
Project/Area Number |
22K16241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 淳 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (30936076)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | Gitelman症候群 / SLC12A3遺伝子 / 低カリウム血症 / 遺伝学的検査 / QOL / 偽性Gitelman症候群 / Bartter症候群 |
Outline of Research at the Start |
Gitelman症候群はSLC12A3遺伝子の異常により電解質異常をきたし、易疲労感や筋力低下などの非特異的症状を呈することで患者のQuality Of Life(QOL)は著しく低下する。日本人では1000人あたり約1.7人と多くの患者が存在する可能性が示唆されているが、患者のQOLや治療有効性を評価した報告は存在せず、診断においても未だ保険適応下での遺伝子診断体制が存在しない。 本研究では、最新の遺伝学的検査法を集約した網羅的遺伝学的検査体制の確立と新たな診断クライテリアの作成を目指し、患者ベースの大規模アンケートを用いて遺伝子型と臨床型の相関の解明およびQOL調査、治療効果の評価を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Gitelman症候群の網羅的遺伝学的検査体制を確立し、従来の方法では検出できなかった未知のホットスポットなど病的変異を同定可能とするとともに、遺伝子型と臨床型の相関を明らかにし、これまでにないスコアリングによるGitelman症候群の診断クライテリアを作成することを目的としている。 後者に関して、遺伝学的に確定診断を行ったGitelman症候群患者に対するQOL評価を含めたアンケート調査を行っており、各症状のスコアリングにより遺伝子型と臨床型の相関について検討している。この研究結果の中間報告を2024年度中に関連学会にて発表予定である。 さらに、本研究を進めるためには、Gitelman症候群の重要な鑑別疾患であるBartter症候群および偽性Bartter/Gitelman症候群についてもその実態を明らかにすることが重要である。その一環として、我々は1型および2型Bartter症候群の遺伝子型と臨床型の相関を明らかにする研究成果を2023年度の国内外の関連学会で発表し、第66回日本腎臓学会学術集会では優秀演題賞を獲得した。また、偽性Bartter/Gitelman症候群については、緩下剤の長期乱用により発症し末期腎不全に至った症例の報告を行い、CEN case reports誌にアクセプトされた。さらに、原因除去後も長期にわたり持続する偽性Bartter/Gitelman症候群の臨床的特徴とその発症機序についての研究を行い、2024年度の国内外の関連学会で発表予定であり、第67回日本腎臓学会学術集会において優秀演題賞に選出された。また、論文作成し投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、以下の4つのフェーズを並行して研究を進めている。 ①全国からGitelman症候群を含む遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症が疑われる患者およびその血縁者の血液検体を収集し、次世代シークエンサーやMLPA等による網羅的遺伝学的検査を行い、病的変異を同定する。②上記手法にて原因遺伝子変異が同定できなかった約20%の症例に対して、RNAシークエンスやdeep intron解析を用いた検索を行い、未知の病的変異の同定を行う。③すでに確定診断を行ったGitelman症候群患者に対するQOL評価を含めたアンケート調査を行い、遺伝学的検査結果と合わせて遺伝子型と臨床型の相関について検討する。④我々がすでに保有しているGitelman症候群を含む遺伝性塩類喪失性尿細管障害が疑われた400家系以上のコホートを用いて、Gitelman症候群に特徴的な臨床症状や検査値異常の有無を検討し、スコアリングによるGitelman症候群の診断クライテリアを作成する。 ①②については現在も症例を集めて解析を続けており、当初想定していたよりも多くの症例数が得られる見込みである。③④については患者グループの症例数は収集可能な見込みであるが、本研究の重要な目的である新たな診断クライテリア作成のためには健常者あるいは他疾患患者を対象とした同様の臨床情報およびアンケート調査結果が必要であり、その集団の選定及び施行にあたっての倫理審査等に関して準備を進めているが、未だ情報収集は行えておらず、今年度中の施行を目指して調整中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、全国からGitelman症候群を含む遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症が疑われる患者およびその血縁者の血液検体を収集して網羅的遺伝学的検査を行い、同時にGitelman症候群患者に対するQOL評価を含めたアンケート調査を行い、遺伝学的検査結果と合わせて遺伝子型と臨床型の相関についての検討を進める。 また、本研究の重要な目的である新たな診断クライテリア作成のために、Gitelman症候群や遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症が疑われる患者のみならず健常者あるいは他疾患患者を対象とした同様の臨床情報およびアンケート調査結果を行い比較検討を進める方針であり、今年度中の施行を目指して調整を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)