Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
S-アデノシルメチオニン(SAM)はメチオニンとATPから酵素MAT2Aにより合成される。SAMはDNAやヒストン、RNAのメチル化に必須のメチル基供与体であり、遺伝子発現の調節を介して細胞の分化制御に重要と予想される。しかし、生体内の造血におけるSAMの役割には不明な点が多い。そこで本研究では、造血細胞特異的MAT2A欠損マウスの解析を通してSAMの造血幹細胞分化での役割を解明する。メチオニン代謝は自己免疫疾患やがん、老化の治療標的としても近年注目されており、本研究は栄養の代謝が造血細胞の分化を制御する仕組みを解明するとともに、現代医療が直面する諸問題を克服する端緒になると期待される。