Project/Area Number |
22K16314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮井 優里奈 (宮島優里奈) 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (70838218)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | TET2 / CHIP / DNAメチル化 / クローン性造血 |
Outline of Research at the Start |
近年、血液がんと診断されていない一見健康な人に見られる、遺伝子変異によるクローン性造血 (Clonal hematopoiesis of indeterminate potential, CHIP) という新しい概念が注目を集めている。 これまでに、CHIPでは造血器腫瘍に関わるDNMT3やTET2、ASXL1などの遺伝子変異が報告されているが、これらの変異を持つ造血幹細胞がクローン拡大を引き起こすメカニズムは不明な点が多い。本研究では、新たに同定した前駆細胞集団の造血器腫瘍発症への寄与およびTET2によるエピジェネティックな遺伝子発現制御機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、先行研究より見出したTET2欠損マウスの骨髄中のCD62L+細胞のサイトカイン反応性や分化能を始めとする性質を明らかにするとともに、当該細胞群の異常増殖が造血器腫瘍病態の形成にどのように寄与するのかを検証することを目的としている。 令和4年度までに、TET2欠損マウス由来のCD62L+細胞が野生型マウス由来のCD62L+細胞と比べてより高い増殖能および異なる分化能を有することを示してきた。また、当該細胞群は放射線照射マウスへの移植実験により、特に肺への移行および移行後肺において分化することを明らかにしている。令和5年度は、令和4年度に見出した加齢性に増加する腫瘍クローンと考えられるCD62L+細胞の性質と機能の解析をより詳細に行った。すると、肺に移行したTET2欠損マウス由来のCD62L+細胞は、肺胞マクロファージ様細胞への分化能を有することが明らかとなった。TET2欠損マウスにおいても、肺組織中のマクロファージをはじめ、多くの骨髄系細胞数が増加することを確認している。現在は、当該細胞群移植後に造血器腫瘍に関わる病態が形成されるのか精査している。 さらに、令和5年度では、CD62L+細胞におけるTET2による遺伝子発現制御異常を検証するためのメチル化シークエンス解析およびChIPシークエンス解析に向けて、条件検討を実施した。現在までのところ解析に至っていないが、令和6年度早期に解析を実施し、当該細胞群のTET2欠損による性質・機能の変化について、どのような遺伝子発現制御機構の違いによって生じるのかを明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、令和5、6年度において、CD62L+細胞における遺伝子発現制御異常のメカニズムを検証を実施する予定であったが令和5年度では検証を始めることができなかった。クローン性増殖前のCD62L+細胞は骨髄中の細胞数が少ないため、細胞からのDNAの抽出をはじめ、その後のメチル化シークエンス解析およびChIPシークエンス解析の条件検討に時間を要している。次年度の早期に条件を確立させ、解析を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
移植実験による分子・細胞動態の解析については概ね終了していることから、次年度については遺伝子の発現制御機構を明らかにするために、メチル化シークエンス解析およびChIPシークエンス解析に注力する。これまで得られているトランスクリプトーム解析の結果と併せて、CD62L+細胞のDNAメチル化異常を検証するとともに、変動遺伝子のTET2による作用を明らかにする。
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