オミクス手法を用いたT細胞の初期発生を誘導するNotchシグナルの解明
Project/Area Number |
22K16331
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
平野 健一 東海大学, 医学部, 特定研究員 (70535228)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | T細胞 / Notchシグナル / 初期T細胞分化 / 造血前駆細胞 / オミクス解析 |
Outline of Research at the Start |
リンパ球前駆細胞がT細胞へと分化するためにはNotch1からのシグナルが必須であるが、NotchシグナルがどのようにT細胞分化プログラムを誘導するかは不明な点が多い。特に、最初期の分化段階において、Notch1と同様に高発現しているNotch2からのシグナルについてはほとんど解析されていない。本研究では、申請者が独自に確立したNotch1およびNotch2欠失リンパ球前駆細胞株を用いて、T細胞分化能の評価やNotch1およびNotch2に対するChIP-seq解析、Notchシグナル依存的な遺伝子発現変化のトランスクリプトーム解析、Notch1およびNotch2会合分子のプロテオミクス解析を組み合わせることで、Notchシグナルによる細胞系列決定の分子機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
T細胞はリンパ球前駆細胞にNotchシグナルが誘導されることで分化を開始するが、Notchシグナルがどのような分子メカニズムで初期T細胞の発生を制御しているのかは不明な点が多い。特に、最初期の分化段階において、Notch1と同様に高発現しているNotch2からのシグナルについてはほとんど解析されていない。我々は、Cas9ノックインEBF1欠損マウスから、T細胞分化能を長期に保持するリンパ球前駆細胞株を樹立した。本研究は、リンパ球前駆細胞株を用いて、NotchシグナルによるT細胞系列決定の分子メカニズムの解明を目的とする。 我々は、CRISPR/Cas9システムを用いることで、Notch1、Notch2を単独に発現または両欠失するリンパ球前駆細胞株を独自に確立した。これらの細胞を用いた解析から、Notch2シグナルは、Tcf7などの最初期のT細胞分化における重要なNotch標的遺伝子を十分に活性化できないため、Notch1に比べT細胞分化能が非常に弱いことが明らかになった。また、Notch1欠失細胞にTcf7を導入し、さらにNotch2からのシグナルを誘導させると、T細胞分化は部分的に回復することが分かった。この結果から、NotchシグナルはTcf7とそれ以外の遺伝子の発現を誘導することで初期T細胞分化を制御していることが示唆された。 次に、Notchシグナル依存的かつTcf7非依存的に発現が誘導される遺伝子の同定をするために、Notch1欠失リンパ球前駆細胞株にTcf7の導入およびNotchシグナルを誘導し、トランスクリプトーム解析を行った。解析の結果、転写制御に関連する遺伝子を複数同定した。現在、これらの候補遺伝子を欠失させたリンパ球前駆細胞株を用いて、T細胞分化への寄与について解析を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)