Project/Area Number |
22K16362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54020:Connective tissue disease and allergy-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
梅田 雅孝 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (20750053)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / T細胞 / 自己免疫疾患 / SLE / ADAM |
Outline of Research at the Start |
T細胞表面のproteinaseは細胞表面・周囲の蛋白切断により周囲環境・細胞内シグナル伝達を変化させ、T細胞機能の調整を担っている。ADAM(A disintegrin and metalloprotease)が担う免疫調節機構が着目されているがTh17細胞分化におけるその役割は未解明な部分が多い。本研究はADAMが果たすTh17細胞分化への役割をそのメカニズムも含め解析を行い、全身性エリテマトーデスの病態形成への関与を明らかにすることを目的としている。これらの解析によりSLE新規治療のターゲット発見の糸口になると期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜蛋白であるADAM(A disintegrin and metalloprotease)は、蛋白分解酵素として、種々の細胞膜・周囲の様々な蛋白の可溶化や活性化に関与し、その周囲 環境を大きく変化させる。ADAMはT細胞機能に関わる様々な因子の制御に関与することが報告されているが、Th17細胞分化への影響は未だ明らかになっていな い。我々は、先行研究としてT細胞におけるADAM9の発現がTGF-β1の活性化を介してTh17細胞分化を促進し、自己免疫疾患の病態形成に関与することを報告して いる(図1. PNAS. 2021 May 4;118(18) 筆頭著者:研究代表者梅田)。また、ADAM9以外にも複数のADAMがTh17分化条件下で発現上昇していることを明らかにして いる。これらのADAMはTh17細胞分化へ影響する因子として機能している可能性があり、これらの分子の動態を解析することでTh17を介した機序による新規のSLE の病態解明につながると考えた。 2022年度は当施設で保存しているSLE患者および健常人から採取したCD4+T細胞cDNAを用いて、SLE患者と健常人を比較し、SLE患者においてmRNA発現量が増加して いるADAMを解析した。その結果、SLE患者由来のCD4+T細胞において発現が増加しているADAMを1つ同定することに成功した(蛋白名は非公表とする)。このADAM をCRISPR/Cas9システムを用いて欠損させるためのgRNAを用いて、ヒト由来のT細胞のADAMの発現の抑制に成功しTh17細胞分化が抑制される傾向があることを示した。しかしながら、ADAMの抑制及びTh17細胞分化の抑制は軽度であるため、より効率的にADAM の分化を抑制する方法の調整を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CRSIPR/Cas9を用いてCD4+T細胞のADAMを欠損させTh17細胞分化への影響を見る実験は一部成功しているがその効率は不十分であり条件設定を要するためやや遅れていると判断している。しかしながらSLE 患者CD4+T細胞において発現が上昇している新規ADAMの同定には成功しており、研究の進歩は得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究で同定したADAMをCRISPR/Cas9システムを用いて欠損させるためのgRNAを設計し2023年度には、Th17分化への影響を検討している段階である。同定され たADAMに関してGeneCardsやUCSC Genome Browserなどを用いたin silico解析を行い、その発現を制御する転写因子を同定する。CRISPR/Cas9用いた方法で作成し たADAM WT-Th17細胞およびADAM KO-Th17細胞の培養上清からSPECS法で分離した蛋白をLC-MS/MSで解析することで、培養中に新規にTh17細胞より生成・分泌され た蛋白のみを網羅的に評価する。CRISPR/Cas9を用いた遺伝子編集を用い上記解析で同定したADAMのfloxマウスを作成し、LCK-Creマウスと交配することで、T細 胞にのみ任意の分子を欠損させたMRL/lpr mice back ground conditional KO miceを作成する。同マウスの疾患発現の割合、生存率、T細胞分化、抗 ds-DNA 抗 体産生能、サイトカイン濃度(血清・髄液)、脳切片・腎病理学的変化などの検討を行うことで,同分子を介したSLE 発症における意義を明らかにする。
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