Project/Area Number |
22K16370
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水野 哲志 金沢大学, 医学系, 助教 (60882230)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 熱帯熱マラリア / ワクチン開発 / PfCSP / マラリアワクチン / 遺伝子組換えマラリア原虫 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、PfCSP抗原を使用した先行ワクチンRTS,Sの臨床試験で明らかとなった、PfCSP抗原に変異を持つマラリア原虫株に対するワクチン効果の減弱化が我々の作製したワクチンでも生じるか否かについて検証し、それに対する本ワクチンの改善と効果評価を行う。具体的には、特定点変異を導入したヒト化遺伝子組換えマウスマラリア原虫ライブラリを作製し、本ワクチンで免疫したマウスへの感染実験を行い、ワクチン効果を減弱させる変異を同定する。ワクチンを減弱させるマラリア原虫の抗原変異を効率的に同定し、その抗原変異に対応できるワクチンを迅速に開発する手法を確立する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
蚊の吸血に伴いヒトに侵入した熱帯熱マラリア原虫は、肝臓を経て赤血球に寄生し症状を引き起こす。ヒトへの侵入から肝細胞侵入までのスポロゾイト期に マラリア表面に発現するPfCSP抗原は、有望なマラリアワクチン抗原候補と見られている。我々はPfCSPをターゲットとした新規ワクチン(m8Δ2/AAV-Pf(s25-CSP))を開発した。PfCSP抗原はN末端部位、NANP-NVDPくり返し部位、C末端部位で構成される。繰り返し部位はB細胞エピトープとして認識され、C末端部位中に存在するTh2RとTh3Rは、T細胞およびB細胞エピトープとして認識される。先行ワクチンであるRTS,Sのアフリカでの第III相臨床試験の結果から、ワクチン接種者に感染したマラリア原虫は、pfcsp遺伝子がコードするC末端部位のTh2R・Th3Rを含む84アミノ酸配列のうち、22部位に変異を認め、53人から193種類のハプロタイプ多型が報告された。この多型のうち、未変異の3D7の割合は約5%程度しかなく、C末端部位の変異がRTS,Sワクチンの有効性を著しく減弱させている可能性が示唆されている。本研究では、m8Δ2/AAV-Pf(s25-CSP)のPfCSP-C末端変異原虫に対する効果を評価する。マウスを用いた評価系を構築するために、R4年度には実際に報告されている変異をもつPfCSPを組み込んだ遺伝子組み換えマウスマラリアを作製した。この原虫を用いたワクチン評価モデルを構築することにより、より効果的なワクチンを開発するための礎を築くことが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに報告されているCSPのC末端変異の塩基配列情報を基にして、原虫組換え用トランスファーベクターの作製を行った。それを用いた組換え原虫作製のプロトコルの構築に少々の時間を要したが、最終的には組換え原虫を問題なく作製できる体制を構築した。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウスモデルを用いて、標準株(3D7)と作製した変異導入株マラリアそれぞれに対するワクチンの防御効果をin vitroあるいはin vivoで評価する。これらの評価を通じて、ワクチン効果を大きく変化させるような変異が同部位に存在するかどうかを明らかにする。
|