Project/Area Number |
22K16421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
穂坂 真一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (10913999)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | SGLT2阻害薬 / 糖新生 |
Outline of Research at the Start |
糖尿病治療薬のSodium-glucose co-transporter 2(SGLT2)阻害薬は体重減少をきたすが、その体重減少における脂肪や筋肉の寄与度には個人差がある。そこで本研究では、糖新生関連酵素であるPEPCKやGYKに着目し、肝臓や腎臓でそれらの酵素活性を阻害することで、SGLT2阻害薬が脂肪や筋肉の表現型へ及ぼす影響を解析し、そのメカニズムについて解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病治療薬のSodium-glucose co-transporter 2(SGLT2)阻害薬は尿中にグルコースを排出することで血糖値を低下させる作用を持つ。血中のグルコースが低下すると、グリコーゲン分解が起きるが、肝グリコーゲン量の減少に伴い、糖新生が亢進し血糖値が維持される。糖新生は脂肪や筋肉から供給されたグリセロールやアミノ酸を基質とする。それぞれグリセロールはGYKを、アミノ酸はPEPCKを介した代謝経路を経て糖新生を行っている。本年度はこれらの糖新生関連酵素に着目し、肝臓特異的なGYK欠損マウスやPEPCK欠損マウスを作製し、SGLT2阻害薬が脂肪や筋肉の表現型へ及ぼす影響を解析している。 肝臓特異的GYK欠損マウスにSGLT2阻害薬投与を行うと、対照マウス群と比較し、KOマウス群では体重減少量や脂肪重量に変化なく、ヒラメ筋重量の減少が小さい傾向を認めた。SGLT2阻害薬投与群のマウスでは自由摂餌下で摂餌量が増加するが、このマウスにpair feedingを行うと、SGLT2阻害薬投与による体重減少や脂肪重量の減少が認められ、さらに腓腹筋とヒラメ筋では筋肉量減少傾向がKOマウスで抑制される傾向を認めた。 肝臓特異的PEPCK欠損マウスにSGLT2阻害薬を投与することで、対照マウス群と比較しKOマウス群では体重減少効果がより大きくなる傾向を認めた。臓器別にみると脂肪重量の減少がKOマウス群で大きく、GYK欠損マウスと異なる表現型を認めた。 以上により、糖新生の鍵となる酵素が肝臓で変化することで、糖新生の基質を供給する組織の変化に影響を与えることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度では肝臓特異的にGYKやPEPCKを欠損したマウスへの解析をすすめている。これらのマウスへのSGLT2阻害薬投与期間や、解剖の条件検討を想定よりも多く行ったため、進捗がやや遅れている。当初の予定では2022年度中に腎臓特異的にGYKやPEPCKを欠損したマウスの作製・増産を行い、これらのマウスについても解析を開始する予定であった。現在、実験マウスの準備は整ったため、引き続きSGLT2阻害薬投与の介入研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は当初から予定していた腎臓特異的糖新生欠損マウスの実験を行い、解析を進める。また肝臓特異的糖新生欠損マウスの解析を引き続き行う。 さらにこれらのマウスで得られた表現型が臓器間ネットワークを介しているか、神経因子や液性因子への解析や介入を行っていく。
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