破骨細胞でリソソームが統合する代謝シグナルの役割の解明
Project/Area Number |
22K16426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 哲也 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教(常勤) (40792346)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 破骨細胞 / リソソーム / 代謝シグナル |
Outline of Research at the Start |
破骨細胞のリソソームを構成する分子の働きとして、(1)プロトン輸送体v-ATPaseが微小酸性環境を形成し骨を脱灰し、(2)カテプシンKが骨を構成する蛋白骨格を分解することがこれまで知られています。近年リソソームが細胞内外のシグナルを統合する場であることが、我々の研究室を含む国際的な研究で解明されました。このシグナル統合装置が破骨細胞でどのような働きをしているか、本研究で解明します。
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Outline of Annual Research Achievements |
細胞内小器官であるリソソームには多種類の加水分解酵素が含まれる。またリソソーム膜に局在するv-ATPaseによりプロトンがリソソーム内腔に濃縮され、酸性環境を形成している。破骨細胞は骨に局在するマクロファージ類縁細胞であり、骨を分解する役割が知られている。破骨細胞におけるリソソームの特徴は、酸や加水分解酵素が細胞内にとどまらず、細胞外へ放出され、周囲の骨組織を分解することである。各種の加水分解酵素の遺伝子変異、またはv-ATPase構成蛋白1つの遺伝子変異により、骨の分解(骨吸収)が低下し、骨大理石病を発症することが報告されている。近年リソソームの新しい機能として、リソソーム膜の細胞質側に細胞内シグナルが集結することが発見された。例えばインスリン、サイトカインといった細胞外シグナルが、細胞内でIRS-Akt-mTORC1シグナル経路を活性化し、mTORC1の活性化がリソソーム膜近傍において行われる。本研究ではリソソーム膜においてmTORC1を活性化する蛋白複合体Ragulatorに焦点を当て、破骨細胞におけるリソソームの役割を改めて検討した。まず野生型およびRagulator遺伝子ノックアウトマウスを用い、高齢メスマウスの骨密度を測定した。次に加齢時の性差を検討するため、高齢オスマウスについても野生型およびノックアウトマウスで骨密度を評価した。これにより加齢マウスで性差およびRagulatorの有無による骨密度への影響を総合的に評価しえた。さらに閉経後骨粗鬆症のモデルである卵巣切除マウスにて、野生型マウスとノックアウトマウスで骨密度測定を行った。マウス実験と並行し、in vitroで破骨細胞を効率良く誘導する細胞培養法を確立した。誘導した破骨細胞が発現する遺伝子を網羅解析し、Ragulatorに影響される細胞内シグナル等を新たに見出した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)