肝インスリン抵抗性におけるRho family GTPase 2の病的意義の解明
Project/Area Number |
22K16434
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
鴫山 文華 金沢医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70808188)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 肝インスリン抵抗性 / 脂肪肝 / 耐糖能異常 / 肝インスリン感受性 / 2型糖尿病 |
Outline of Research at the Start |
Rho family GTPase2(RND2)は1998年に発見された低分子量Gタンパク質のRhoファミリーの一つであり、細胞外からの増殖因子に対する細胞骨格の制御に関与し、神経の成長や分枝に重要な役割を果たすことが示されてきた。しかし、RND2の肝臓における検討は乏しく、脂肪肝・肝インスリン抵抗性における病態的意義は不明であった。本研究では、マウスを用いてRND2が肝臓実質やインスリン感受性に与える影響を解明し、脂肪肝に随伴する糖尿病や肝癌、心血管疾患の主病態であるインスリン抵抗性の改善にRND2が重要な役割を果たすかどうかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、RND2遺伝子をマウスにおいて発現抑制することで、①肝臓のインスリン感受性、糖・脂質代謝に変化を認めるか、それらが全身にどの程度の影響を及ぼすのかを評価する。さらには、②肝臓の大きさや形態がどのように変わるのか、生化学的手法と病理学的な手法を組み合わせて、脂肪蓄積量、実質部分、間質部分に分けて評価し、実質の変化が肝細胞の数かサイズ、いずれの変化によるものなのかを検討する。2022年度の実験では、我々が新たに作成したRND2KOマウスの検討の結果から通常食で飼育したRNDKOマウスではWTと比較して糖代謝が改善していることが明らかとなった。一方で、肝脂肪の有意な減少は認めず、siRNAを用いた急性の肝臓特異的なRND2の発現抑制でも糖代謝ならびに肝重量に有意差は認めず、長期的な全身でのRND2の抑制が脂質代謝を介さずに糖代謝に好影響を及ぼす可能性が示唆された。2023年度は高脂肪食ならびにスクロース水で飼育したRND2KOマウスを用いて糖代謝ならびに肝臓重量の評価を行った。6週齢から高脂肪食・スクロース水で飼育した13週齢の雄性RND2KOマウス(n=10)および野生型(WT)マウス(n=5)を用いた腹腔内糖負荷試験の結果、0分、15分、30分、60分、120分の血糖値ならびにArea Under the Curve(AUC)で有意な差は認めなかった。肝臓重量もWT(n=4)とRND2KO(n=7)で有意差を認めなかった。今年度は高脂肪食・スクロース水で飼育したマウスのnを増やして腹腔内糖負荷試験ならびに肝臓重量測定のデータを確認するとともに、肝臓での中性脂肪含有量の測定、糖負荷試験における各タイミングでの血清インスリン値の測定等を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本人NAFLDにおいて肝インスリン感受性に影響する遺伝子としてRho family GTPase2(RND2)を有力な候補として同定し、RND2欠損マウス(RND2KO)を作成し、腹腔内糖負荷試験ならびに肝臓中性脂肪量の評価を実施し野生型マウス(WT)と比較した。腹腔内糖負荷試験の結果、RND2KOは糖負荷後60分の血糖値ならびにArea Under the Curveが有意に低値であった。マウスにおいて全身のRND2の発現抑制により糖代謝が改善することが明らかとなり、RND2が脂肪肝を合併する糖尿病治療において新たな治療標的となる可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は高脂肪食・スクロース水で飼育したマウスのnを増やして腹腔内糖負荷試験ならびに肝臓重量測定のデータを確認するとともに、肝臓での中性脂肪含有量の測定、糖負荷試験における各タイミングでの血清インスリン値の測定等を実施する。また、肝臓の脂肪蓄積に関して、中性脂肪のみならずインスリン感受性に関与していると考えられているジアシルグリセロールの測定も行っていく予定である。さらに、得られた肝臓の組織から病理的解析も実施し、肝細胞の数やサイズを測定し2群間で差があるか検討していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)