Project/Area Number |
22K16489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 一博 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60824761)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肝内胆管癌 / 抑制性免疫環境 / 制御性T細胞 / 腫瘍抗原 / FCR (制御性T細胞、細胞障害性T細胞比 / MUC1 / BIRC5 / CSPG4 / MDK / 腫瘍免疫環境 |
Outline of Research at the Start |
肝内胆管癌は、根治切除後も再発率の高い難治性腫瘍である。その腫瘍の進展や予後には 免疫環境の関与が指摘されているが、希少癌のため、解析が進んでいない。これまでの検討 で、我々は、制御性T細胞が肝内胆管癌の進展を促進することを明らかにしたが、制御性T細胞がどのように肝内胆管癌組織に誘導されるのかは、いまだ未解明である。今回、我々は、バイオインフォマティックアプローチ、肝内胆管癌の切除検体、血液サンプル、細胞株を用いて、制御性T細胞が抗原を認識するメカニズムを解析するとともに、腫瘍抗原の診断マーカーや新規治療ターゲットとしての可能性を探求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
肝内胆管癌は、根治切除後も再発率の高い難治性腫瘍である。腫瘍の進展や切除後予後には腫瘍周囲の免疫環境の関与が指摘されているが、希少癌のため解析が進んでいない。我々は、これまで制御性T細胞が肝内胆管癌の進展を促進する可能性があることを明らかにしたが、制御性T細胞がどのように肝内胆管癌組織に誘導されるのかについては、未解明のままである。 今回、我々は、制御性T細胞が抗原を認識するメカニズムに着目し、バイオインフォマティックアプローチを用いて絞り込んだ4つの腫瘍抗原の候補遺伝子ついて検証した。パラフィン切片から抽出したRNAに対してRT-qPCRを行い、MUC1、BIRC5、CSPG4、MDKの遺伝子発現について臨床病理学的因子や制御性T細胞との関連を検証した。BIRC5、CSPG4、MDKは腫瘍内での発現が少なく、再現性を確保するべく複数のアッセイを行ったものの、臨床病理学的因子や免疫環境との明かな関連性は見いだせなかった。一方で、MUC1についてはFoxP3との弱い相関がみられた。 更に、肝内胆管癌の発癌に炎症が関与していることに着目し、RNA編集酵素であるADAR1についてもその発現と腫瘍免疫環境と腫瘍抗原との関連性について免疫組織学的染色法で検証した。ADAR1高発現の肝内胆管癌は、予後不良でありMUC1の発現やFoxP3と弱い相関がみられた。 現在、細胞株および血液中から単離したPBMC、FoxP3を用いて、これら因子が免疫環境に与える影響について検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝内胆管癌は、根治切除後も再発率の高い難治性腫瘍である。腫瘍の進展や切除後予後には腫瘍周囲の免疫環境の関与が指摘されているが、希少癌のため解析が進んでいない。我々は、これまで制御性T細胞が肝内胆管癌の進展を促進する可能性があることを明らかにしたが、制御性T細胞がどのように肝内胆管癌組織に誘導されるのかについては、未解明のままである。 今回、我々は、制御性T細胞が抗原を認識するメカニズムに着目し、バイオインフォマティックアプローチを用いて絞り込んだ4つの腫瘍抗原の候補遺伝子ついて検証した。パラフィン切片から抽出したRNAに対してRT-qPCRを行い、MUC1、BIRC5、CSPG4、MDKの遺伝子発現について臨床病理学的因子や制御性T細胞との関連を検証した。BIRC5、CSPG4、MDKは腫瘍内での発現が少なく、再現性を確保するべく複数のアッセイを行ったものの、臨床病理学的因子や免疫環境との明かな関連性は見いだせなかった。一方で、MUC1についてはFoxP3との弱い相関がみられた。 更に、肝内胆管癌の発癌に炎症が関与していることに着目し、RNA編集酵素であるADAR1についてもその発現と腫瘍免疫環境と腫瘍抗原との関連性について免疫組織学的染色法で検証した。ADAR1高発現の肝内胆管癌は、予後不良でありMUC1の発現やFoxP3と弱い相関がみられた。 現在、細胞株および血液中から単離したPBMC、FoxP3を用いて、これら因子が免疫環境に与える影響について検証中である。そのため、やや進行は遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
特定した腫瘍抗原およびRNA編集酵素と抑制性免疫環境との関連性について、細胞株、血液検体を用いて解析を進めていく予定である。
これらの検証で関連性が見いだせない場合は、腫瘍抗原の可能性を持つMUC1やADAR1といった個別の遺伝子発現が肝内胆管癌の腫瘍進展に及ぼす影響について検証する。
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