Project/Area Number |
22K16535
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今岡 祐輝 広島大学, 医系科学研究科(医), 特任助教 (20939285)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肝臓内免疫 / 炎症性サイトカイン / NK細胞 / 肝切除 / 肝内免疫 / 肝細胞癌 / IL-33 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、炎症サイトカインIL-33が、抗腫瘍活性の強いTRAIL (TNF-related apoptosis inducing ligand)発現NK細胞を低下させるメカニズムを解析することである。肝臓内ナチュラルキラー(NK)細胞は強力な抗腫瘍活性を持つが、門脈圧亢進に伴いその活性は低下し腫瘍再発の一因となっていることを解明した。この新知見をもとに、炎症性サイトカインIL-33制御や抗炎症性サイトカインIL-37を用いることで、門脈圧亢進状態の腫瘍再発を抑制し得る新規治療法となる可能性があり、臨床応用へ展開するために研究基盤を確立することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「炎症サイトカインIL-33が、抗腫瘍活性の強いTRAIL (TNF-related apoptosis inducing ligand)発現NK細胞を低下させるメカニズムを解析する」ことである。肝臓内NK細胞は強力な抗腫瘍活性を持つが、門脈圧亢進に伴いその活性は低下し腫瘍再発の一因となっている。我々は門脈圧亢進が肝臓内NK細胞活性低下していることを見出した。この新知見をもとに、炎症性サイトカインIL-33制御が、門脈圧亢進状態の腫瘍再発を抑制しうる新規治療法となる可能性があり、臨床応用を展開するための研究基盤を確立することを将来の目的とする。
門脈圧亢進症マウスモデル、肝線維化マウスモデルおよびヒト検体を用いて、炎症サイトカインIL-33が、抗腫瘍活性の強いTRAIL (TNF-related apoptosis inducing ligand)発現NK細胞を減弱させるメカニズムを解明し、肝内在性NK細胞へ与える悪影響を明らかにする。本実験では、ヒト検体を用いたIL-33のNK細胞への効果を検証し、肝臓NK細胞のTRAILの表出が減弱することが明らかとなった。抗IL-33抗体や抗炎症性サイトカインIL-37を用いることで、将来的に門脈圧亢進症を併存する肝癌患者や肝癌肝切除後患者、門脈塞栓術後患者、肝癌肝移植を対象とした炎症性サイトカイン制御による免疫賦活化療法の開発を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、炎症サイトカインIL-33が、抗腫瘍活性の強いTRAIL (TNF-related apoptosis inducing ligand)発現NK細胞を低下させるメカニズムを解析することである。ヒト検体を用いたin-vitro実験においてもIL-33との共培養により肝臓NK細胞の抗腫瘍効果は減弱した。このことは、IL-33を抑制することで、肝臓内NK細胞の抗腫瘍効果が維持されるメカニズムの解明に繋がる可能性を示唆する結果であった。 以上より、概ね順調に研究は進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに四塩化炭素を用いた肝臓線維化マウスモデルを用いて、炎症性サイトカインIL-33が肝内在性NK細胞のフェノタイプ、機能に与える影響の解析を追加する。本研究により、炎症サイトカインIL-33が、抗腫瘍活性の強いTRAIL 発現NK細胞を減弱させるメカニズムを明らかにし、肝内在性NK細胞へ与える悪影響を明らかにする。今後はIL-33の抑制機能を持つIL-37の効果やTRAIL陽性NK細胞内のシグナル解析を用いて解析し、より詳細にIL-33が持つ肝内在性NK細胞への影響を解明する。抗IL-33抗体や抗炎症性サイトカインIL-37を用いることで、門脈圧亢進症が併存する肝癌患者や肝癌肝切除後患者、門脈塞栓術後患者を対象とした炎症性サイトカイン制御による免疫維持療法の新規開発に繋がると考えている。
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