Project/Area Number |
22K16569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 博紀 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (70933993)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / Crispr/Cas9ゲノム編集技術 / ドラッグスクリーニング |
Outline of Research at the Start |
悪性胸膜中皮腫に特徴的な遺伝子異常の一つとしてBRCA1-associated protein 1(BAP1)不活性化変異が知られているが、その機能的な意義あるいは治療標的としての可能性についての検討は進んでいない。近年、ゲノム編集技術により、遺伝子の機能を詳細に解析することが可能となった。申請者は、悪性胸膜中皮腫におけるBAP1の機能喪失の意義にせまるべく、ゲノム編集技術を用いてBAP1 ノックアウト細胞モデルを独自に樹立した。本研究では、BAP1のMPMにおける働きを解明し、BAP1を中心としたカスケードの治療標的としての可能性を探ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
悪性胸膜中皮腫(MPM)において腫瘍抑制遺伝子として知られるBAP1の体細胞変異による不活性化は、代表的な遺伝子異常として知られている。その治療標的としての可能性を検討するための第一段階として、Crispr/Cas9ゲノム編集システムによるBAP1ノックアウト細胞株の樹立を目指してきた。Crispr/Cas9ゲノム編集に必要なガイドRNAのデザイン、ベクター作成を行い、これまでに上皮型MPM細胞株であるHmeso、肉腫型MPM細胞株であるH2373、二相型MPM細胞株であるJMNを用いて、BAP1ノックアウト細胞株を作成し単離することに成功した。それぞれの樹立モデルにおいて、mRNAレベルおよびタンパク質レベルでBAP1が確実にノックアウトされていることを確認済である。 現在、これらの前臨床モデルを用いて、BAP1のMPMにおける機能解析を進めている。RNAiによる予備実験を行っており、BAP1のノックダウンにより増殖能が阻害される可能性が示唆されている。現在、BAP1をノックアウトすることで細胞形態、増殖能、転移遊走能、細胞周期の進行、DNA修復機構等に及ぼす影響を各種アッセイを用いて検討している最中である。さらにノックアウト株と親株を用いた、ドラッグスクリーニングなどの網羅的解析も進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りであり、特に理由はない。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立したノックアウト細胞株を用いてMPMにおけるBAP1の役割、治療標的としての可能性を検討する。種々の網羅的解析を行い親株と比較検討することで、BAP1ノックアウトにより誘導される薬剤感受性の変化(ドラッグスクリーニング→ハイコンテントスクリーニングによる評価)、遺伝子発現の変化(RNA-seq、トランスクリプトーム解析)について検討することを予定している。これらの解析でBAP1ノックアウト細胞株に特異的な標的遺伝子(群)の同定が困難であった場合、DNA メチル化やヒストン修飾などのエピジェネティックな修飾や転写調節因子の結合部位の変化を標的にChip-seqおよびATAC-seqを行うことも想定している。
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