Project/Area Number |
22K16613
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
新倉 怜 横浜市立大学, 医学研究科, 特任助教 (70760750)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 時間知覚 / 吸入麻酔 / 術後認知機能障害 / 動物モデル / 行動実験 / ラット |
Outline of Research at the Start |
全身麻酔を伴う手術の後にしばしば報告される時間感覚の異常は、手術の予後に関連する悪性のイベントとリンクして、術後の回復を妨害する可能性がある。特に、秒・分単位の時間情報処理機構である「時間知覚」は、麻酔の影響を強く受けることが想定される。そこで本研究では、動物モデルを用いて、全身麻酔を伴う手術が時間知覚および認知機能に及ぼす影響を行動実験によって評価し、その影響に関与する神経回路網を同定し、その根底となる生理学的メカニズムを解析することで、麻酔を伴う手術は時間知覚へ影響を及ぼすのか、また、その影響は生理学的変化・認知機能低下と関連するのかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
全身麻酔を伴う手術の後にしばしば報告される時間感覚の障害は、術後の認知機能の低下と関連して、その後の回復を妨害する可能性がある。本研究は、術後認知機能障害動物モデルを用いて全身麻酔が時間知覚及び認知機能に及ぼす影響を評価し、そのメカニズムを解明することを目的としている。 令和4年度は、術後認知機能障害モデルの作成を実施した。当初の計画通り、isoflurane、sevoflurane、desflurane吸入麻酔曝露中のラットに開腹手術をほどこし、術後7日後と14日後に物体再認課題と受動的回避課題を実施することにより認知機能への影響を評価した。しかし、予想と異なりいずれの処置群も、いずれのタイミングにおいても認知機能の低下は認められなかった。これらの結果は、若い健康なラットを用いたことに一因があると推測された。そのため、対応策として被験体に2つの調整を施し、検討を進めている。1つは、処置の重症度を上げることにより認知機能低下を引き起こす試みである。開腹だけでなく、盲腸を結紮し、結紮した先を注射針で穿刺することにより敗血症モデル動物を作成した。術後7日後と14日後に認知機能の評価を進めている。もう1つは、老齢ラットを用いることである。年齢が術後認知機能障害や術後せん妄の主要なリスク因子であることから、18ヶ月齢のラットを用いることによって認知機能低下を引き起こす試みで、現在動物が適齢期に至るのを待っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物モデル確立のための条件検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在検討中の重症化モデルおよび老齢モデルのいずれかで認知機能低下が認められた場合、認知機能低下の認められたモデルを採用して研究を進める。両方のモデルで認知機能低下が認められた場合、モデル作成に要する時間の観点から重症化モデルを採用する。どちらのモデルでも有意な結果が得られなかった場合、物体再認課題と受動的回避課題では行動表現型として検出できない閾下の認知機能の低下、あるいは行動表出に至らない生理学的な変化が生じている可能性があるため、認知機能低下が認められなかったとしても前述の所要時間の観点から重症化モデルを採用し、同モデル動物の時間知覚機能の評価と免疫組織化学染色を実施する。
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