Project/Area Number |
22K16637
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野坂 宜之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30713961)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 急性脳症 / マウスモデル / 低体温療法 / 小児 / 脳炎・脳症 / 集中治療 / 体温管理療法 |
Outline of Research at the Start |
小児急性脳症は特に日本人に多く認められる難治疾患です。脳へのさらなるダメージを避ける管理が急性期集中治療の鍵です。高体温は脳に悪影響を及ぼします。そこで、平温療法あるいは低体温療法が治療の要と考えられています。しかし、小児急性脳症に対して平温が良いのか低体温が良いのか各々の効果を比較したヒトでの研究は存在しません。小児急性脳症はまれである上に、多くの病型に分類されるため、均一な症例を多く集めて質の高い臨床研究を実施することは困難です。そこで本研究では、病型に応じた小児急性脳症マウスモデルを確立し、マウスのために作られた集中治療室において平温療法と低体温療法の効果を比較・検討します。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度より低体温管理の成果を評価できる長時間の集中治療管理に耐えうるマウス脳浮腫モデルの作成に取り組んできた。本年度はリサーチアシスタントを雇用し、上記マウス脳浮腫モデル確立の加速を目指した。論文をもとにしたマウス脳浮腫モデルにおける短時間の観察では、コントロールマウスと比較して脳浮腫が起こっていることは確認された。しかし同時に、重篤な呼吸障害ならびに腎障害、代謝不全を始めとする多臓器不全が認められた。特に強い代謝性アシドーシスと極度の電解質異常(高カリウム血症)が原因で、当初計画した実験介入時間(人工呼吸器管理6時間)を完遂できないままに致死的不整脈が生じ死亡してしまうため、長時間の人工呼吸管理・評価が困難である事が現時点における問題となっている。上記の理由として急激な細胞外液減少を念頭に置き、細胞外液負荷による改善策などを検討しているが、いまだ解決に至っていない。これらの転帰はいずれも急激な高体温処理に依存している可能性が高いと現時点では考察している。当初の計画においては2つの異なる脳症モデル(①サイトカインストーム型脳症:リポポリサッカリド前処置+高体温40度処理 ②テオフィリン前投与+高体温40度処理)を提案したが、どちらも高体温処理が必要であることが共通している。そこで、高体温処理を避けるモデルの再確立が重要と考えており、具体的にはリポポリサッカリド脳浮腫モデルなどの可能性を模索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
論文発表されているマウス脳浮腫モデルをもとに研究提案を行ったが、当該モデルでは人工呼吸・低体温管理を長時間完遂することが難しかった。輸液負荷の調節などモデル作成方法の微調整も行ったが、結果として研究目的を完遂できるモデルの確立には至っていない。本研究において取り組みたい集中治療管理介入を完遂できるための、長期間生存可能な脳浮腫モデルの作成がさらなる進捗に向けた鍵である。
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Strategy for Future Research Activity |
リサーチアシスタントの雇用を継続し、作業の時間的効率をさらに改善する。また、脳浮腫モデル作成方法について抜本的な修正を検討している。具体的には、既に複数報告されているリポポリサッカリド脳浮腫モデルを活用し、サイトカインストーム型脳症に類似するマウス脳浮腫モデルを集中治療・低体温管理下で確立できるよう、取り組む予定である。
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