難治性髄膜腫に対するSSTR2aを標的とした近赤外光線免疫療法の開発
Project/Area Number |
22K16652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小倉 良介 新潟大学, 脳研究所, 助教 (70626423)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | SSTR / NIR-PIT / 髄膜腫 / オルガノイド / タイムラプス / 近赤外光線免疫療法 / ソマトスタチン受容体サブタイプ2a / 難治性髄膜腫 / 悪性髄膜腫 / ソマトスタチン受容体 / SSTR2 / PD-L1 |
Outline of Research at the Start |
髄膜腫の多くは、手術で全摘出できれば根治を見込めるが、急速に増大したり、再発を繰り返す予後不良なタイプが10%程度存在する。このような難治性髄膜腫に対する新規治療として、髄膜腫の多くで発現しているソマトスタチン受容体をターゲットにした近赤外光線免疫療法 (NIR-PIT)の臨床応用を目指している。本研究では、手術で摘出した組織から細胞株を樹立し、本治療の有効性と安全性を証明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
髄膜腫は全摘出できれば根治を見込めるが、摘出困難な部位や、悪性度の高 いものは急速増大や再発を繰り返し予後不良な転帰をたどる。このような難治性髄膜腫に対 し、腫瘍細胞の表面抗原を認識し、近赤外光線を照射することで選択的に腫瘍細胞を破壊する 近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)の臨床応用を目指している。NIR-PITにおいて重要なことは、 適切な表面抗原の選択にある。本研究では、髄膜腫の多くで発現しているSSTRをタ ーゲットにしたNIR-PITの治療効果を検証した。 悪性髄膜腫細胞株と摘出検体から培養した髄膜腫細胞を用いた。SSTRの発現は、ウェスタンブロット法で確認した。NIR-PITは、SSTR-IR700複合体を前日に投与し、翌日に近赤外光照射を行った。治療効果は、タイムラプスによる形態観察、calcein-PI二重染色による生死細胞判定とWST-8による生存解析を行っ た。摘出検体から髄膜腫細胞のオルガノイドモデルを作成し、抗体の投与方法、照射量を検討 した。マウス皮下腫瘍モデルを作成し、NIR-PITの治療効果を検証した。SSTRが高発現している細胞株は、NIR-PIT直後から細胞の膨化と細胞膜の 破裂を認めた。抗体量や照射時間を調整することで、Calcein-PI二重染色、WST-8で著明な殺 細胞効果を確認した。オルガノイドモデルに対して行った治療実験では、表層の細胞は死滅したが、深部の細胞は大部分が生存していた。IR700複合体の投与方法を検討し、ハミルトンシ ンリジを用いてオルガノイドの中心部に局所投与することで、治療効果の改善を認めた。マウ ス皮下腫瘍モデルに対しても、抗体を局所投与し照射することで、明らかな有害事象なく劇的な治療効果を認めた。マウスモデルの症例を増やし、有効性と安全性を検証し、難治性髄膜腫に対する新規治療 としての確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているが、抗体の作成と、想定以上にオルガノイドモデルが樹立できたためその維持費がかさんでいる。今年度は、動物実験での検証に予算を使用させていただく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスモデルの症例を増やし、有効性と安全性を検証し、難治性髄膜腫に対する新規治療 としての確立を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)