Project/Area Number |
22K16669
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藏成 勇紀 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (90815309)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | iPS細胞 / ゲノム編集 / 自殺遺伝子 / パーキンソン病 / 再生医療 / Parkinson‘s disease / iPS cell / Suicide gene / ドパミン |
Outline of Research at the Start |
2022年度には、1.パーキンソン病モデルマウスの作製および機能評価、2.自殺遺伝子導入iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞(DPC)及びドパミン神経細胞(iPS-DC)の作製 及び可視化を行う。 2023年度には、1.パーキンソン病モデルに対するiPS-DPC及びiPS-DCの移植および生着・機能評価、2. 脳切片培養を用いたiPS-DPC及びiPS-DCのライブイメージング(時間的解析) 2024年度には、1.透明化技術を用いたiPS-DPC及びiPS-DCの空間的解析、2. 移植細胞の安全性評価を行い、こうして、自殺遺伝子導入ゲノム編集iPS細胞を用いた、パーキンソン病に対する安全な再生医療の実現を提言する。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまでiPS細胞において導入遺伝子を恒常的に安定発現することが可能な遺伝子座の同定を、ゲノム編集技術(CRISPR/Cas9等)を駆使して行ってきた。その結果、恒常的に自殺遺伝子を発現する治療用iPS細胞を樹立することに成功し、遊走能を持つ治療用iPS細胞由来神経幹細胞をCellular delivery vehicleとして用いる遺伝子幹細胞療法に発展させてきた。一般的に細胞移植療法は、移植細胞自身の造腫瘍性が問題視されるが、我々の樹立した治療用iPS細胞より誘導する細胞は自殺遺伝子導入により造腫瘍性の問題を解決する安全装置を備えているため、様々な「安全な」細胞移植療法への応用が可能となる。本研究で標的とするパーキンソン病は中脳黒質から線条体に投射するドパミン産生神経細胞が脱落し生じる難病であり、近年微小環境における神経炎症の関与を認めている。そこで、本研究計画で、自殺遺伝子導入iPS細胞よりドパミン神経前駆細胞を誘導し、その病変部位への遊走能を利用し、効率的かつ安全な細胞移植療法の実現を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度には「パーキンソン病モデルマウスの作製および機能評価」と「自殺遺伝子導入iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞(DPC)及びドパミン神経細胞(iPS-DC)の作製及び可視化」を行った。次いで2023年度には「パーキンソン病モデルに対するiPS-DPC及びiPS-DCの移植および生着・機能評価」を行った。移植したiPS-DPCはBio-luminescence imaging study (IVIS system)による評価において、パーキンソン病モデルマウス脳で生着が得られたこと、さらに経時的に移植片増大がみられたことを確認した。一方で、iPS-DC移植片は生着はみられるものの増大に乏しいことが判明した。現在長期に渡す機能改善効果を各種行動機能評価で評価しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS-DPCを移植したパーキンソン病モデルマウスにおける機能評価を継続し、機能改善の程度を解析する。また、移植細胞の安全性評価を行う。iPS-DCは既に終末分化した細胞であるため、腫瘍化のリスクは少ない。iPS-DPCは前駆細胞であるため、高い生着率・遊走能が予測される代わりに腫瘍化のリスクは完全には否定できない。機能評価の終了した移植後モデルマウスにプロドラック5-fluorocytosine (5-FC)を7日間腹腔内投与する。その後、理論的には分裂能をわずかに有するiPS-DPCは死滅し、ドパミン産生神経細胞に完全分化生着した細胞は残存する。その後、マウスの神経学的・行動学的評価及び、周囲正常細胞への影響を組織的に解析する。 また、機能評価の終了した移植後モデルマウスの全脳に、passive CLARITY法を用いた透明化を施し、3次元解析を行う。多光子顕微鏡(FLUOVIEW FVMPE-RS)やシート照明顕微鏡で撮影を実施し、移植細胞の線条体-中脳における時間空間的な挙動を明らかにする。
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