Project/Area Number |
22K16725
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐野 有隆 日本大学, 医学部, 専修医 (30910129)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 脂質メディエーター / 関節リウマチ / 滑膜繊維芽細胞 / 人工関節置換術 / 12-HETE / 変形性膝関節症 / 骨破壊 |
Outline of Research at the Start |
関節リウマチ (RA)は、全身の関節炎をきたし、骨や軟骨が破壊され、関節機能が損なわれる炎症性疾患である。薬物治療では病勢を制御できず、手術を施す患者も存在する。また、多くの脂質メディエーターは炎症を惹起するが、近年、抗炎症作用を有する脂質メディエーターが知られている。申請者は、手術適応のRAおよび変形性膝関節症患者の関節滑液中の150種類の脂質メディエーターを網羅的に比較したところ、12-HETEが手術適応のRA患者で有意に高値であることを明らかにした。しかし、RA患者の関節局所における12-HETEの役割は不明である。そこで、RAの関節炎における12-HETEの機能を解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ (RA)は、全身の関節炎をきたし、骨や軟骨が破壊され、関節機能が損なわれる炎症性疾患である。また多くの脂質メディエーターは炎症を惹起するが、近年、抗炎症作用を有する脂質メディエーターが知られている。リピドミクスを用いてRA患者とOA患者の関節滑液の脂質メディエーターを網羅的に比較解析したところ、炎症性のものに加え、抗炎症作用を有する脂質メディエーターの濃度も、RA患者で有意に高値であった。また、ROC曲線から、12-HETEは、RAとOAを区別する最も優れたバイオマーカーになる可能性が示されたが、RAにおける役割は不明である。本研究ではRAにおける12-HETEの機能を解析することを目的とした。人工膝関節全置換術(TKA)の際に採取したOA、RA関節滑膜の凍結切片を作製し、まずOA、RA滑膜での2種類の受容体の発現を解析した。結果、ともにRAでOAと比較し有意に高値であった。次に、12-HETEがRA滑膜線維芽細胞の活性化を惹起するかを検証した。そのためRA滑膜から滑膜線維芽細胞を単離・培養し、培養した滑膜線維芽細胞に、様々な濃度、時間で12-HETEを刺激しELISAで評価した。刺激濃度、時間では、有意差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年からの研究の継続として、破骨細胞を評価することにした。採取したRA滑膜から破骨細胞を分化培養し、12-HETEで刺激した。生理食塩水で刺激するものと比較し、NFATc1 mRNAの発現は時系列を追っても、48時間まで高発現であった。また、刺激濃度や刺激時間を調整し、同様の実験を行なった。また、それぞれの受容体の遺伝子発現をqPCRで確認した。次に、タンパク質レベルの発現を蛍光免疫染色およびwestern blotで解析しようと考えたが、分化培養時に細胞調整が十分に出来なかったため、今年度は施行できなかった。リウマチ患者さんに人工関節を行う症例が少なかったことも一因と考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
検体を新たに採取、処理し、今年度の実験を継続する。具体的には、タンパク質レベルの発現を蛍光免疫染色およびwestern blotで解析する。また、12-HETEによる軟骨細胞の細胞死を検討する。CHON-001 cellsにおいて、12-HETEの受容体であるBLT1の発現解析を IL-1β 存在下に、12-HETE を添加し、培養する。アポトーシスに関して、Annexin V/PI 染色を行いフローサイトメトリーで評価する。BLT1 に 対 す る Silencer select pre-designed siRNA もしくはcontrol siRNA をCHON-001 cellsに導入し、BLT1 を knockdown した CHON-001 cells を作製し、同様の実験を行う。BLT1の下流のシグナル伝達経路であるMAPK経路の阻害剤を添加し、同様の実験を行う。
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