Project/Area Number |
22K16732
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒井 誠 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (10865059)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 骨形成 / エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
高齢化の進行とともに骨粗鬆症の患者数が増加している。しかし骨粗鬆症治療薬の多くは骨吸収抑制薬であり、他方、骨形成促進薬は選択肢が少なく、使用頻度も限定的である。 そこで申請者は骨形成に注目した。さらに代謝の細胞記憶としてエピゲノムの関与を考え、シングルセル解析からあるヒストン脱メチル化酵素を見出した。本研究ではそのエピゲノム酵素を介した骨形成の制御機構の解明を目的としている。 これにより骨形成を標的とした治療の選択肢が拡充し、今後の臨床応用に向けた基盤が構築されることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会を迎え、骨粗鬆症は増加の一途をたどっている。骨粗鬆症は骨折を介して移動を含めた生活全般の機能を低下させるだけでなく、生命予後にも悪影響を及ぼしている。こうした社会的要請に応えるべく骨粗鬆症治療薬が開発されているが、それでも骨折発生数を抑えているとは言い難い。 骨代謝は破骨細胞の担う骨吸収と骨芽細胞の担う骨形成からなり、それに対応して骨粗鬆症の治療薬には骨吸収抑制薬と骨形成促進薬がある。しかしその大半は骨吸収抑制薬であり、骨形成促進薬は副甲状腺ホルモン製剤であるテリパラチドやその関連製剤と、抗スクレロスチン抗体であるロモソズマブの2種類しかない。 こうした背景を鑑みて、本研究では治療介入の余地の大きい骨形成に注目している。そして、長期記憶に関与するヒストンメチル化の観点から骨形成を制御するエピゲノム記憶を解明し、治療標的を探索することを目的としている。 このために申請者は骨組織を対象としたシングルセル解析を行い、その結果からあるヒストン脱メチル化酵素を見出した。今年度は同遺伝子の欠損マウスを用いて骨代謝の評価を行った。大腿骨のマイクロCTおよび腰椎切片を用いたvon Kossa染色の結果、同遺伝子の欠損マウスでは骨量が増加していることが明らかとなった。また、骨形態計測の結果、この骨量増加は骨形成の亢進が原因であることが明らかとなった。 今後は細胞実験も行い、同エピゲノム酵素がどのようにして骨形成を制御するのか、その詳細なメカニズムの解明に迫りたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨組織を対象としたシングルセル解析の結果から見出したエピゲノム酵素の欠損マウスを用いて骨代謝の評価を行った。その結果、同欠損マウスでは骨形成の亢進によって骨量が増加していることが明らかとなった。本研究は骨形成のエピゲノム制御機構を明らかにすることを大きな目標としているため、その評価のためのマウスモデルが確立されたことは研究遂行にとって大きな進歩である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は細胞実験も行い、同エピゲノム酵素の標的分子やシグナル伝達経路を同定する。同エピゲノム酵素をノックダウンして網羅的に遺伝子発現を解析するとともに、クロマチン免疫沈降などのエピゲノム解析も行い、詳細なメカニズムの解明に迫る。
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