Project/Area Number |
22K16806
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
後藤 大輔 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00597370)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | 間質性膀胱炎 / 低リノール酸 / リゾリン脂質 / マウス |
Outline of Research at the Start |
間質性膀胱炎・膀胱痛症候群(IC/BPS)の病態は未だ解明されていない。我々はIC/BPS患者の血清中の物質を網羅的に探索し、リゾリン脂質である1-linoleoylglycerophosphocholine18:2が低濃度であることを明らかにした。今回我々はリゾリン脂質の分解産物であるリゾホスファチジン酸(LPA)に着目し、その受容体の一つであるLPA1受容体は神経因性疼痛に関与することが示唆されている。本研究では低リノール酸がマウスにIC/BPSに類似する病態を発生させる可能性を検討し、LPA1欠損マウスを用いて下部尿路機能におけるLPA1受容体の生理学的役割について検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
Hunner型間質性膀胱炎(以下、HIC)の診断用血清バイオマーカーに関する研究で、リゾリン脂質の1種である、1リノレオイルGPC18:2が、HIC群の血清中で有意に低下していたという先行研究をもとに、マウスのリノール酸の摂取を制限することでHICモデルに近づくという仮説を立てた。今回の研究はリノール酸を制限した食餌が、マウスの膀胱組織の脂質成分に与える変化、および下部尿路機能に与える影響を調べることを目的とした。 C57BL/6Nの野生雌マウス8週齢を使用した。通常食餌群(正常群)と低リノール酸食餌群(低リノール酸群)にグループを分け12週間給餌し、その時点で外見の観察、代謝ケージでの測定、膀胱内圧測定、採血、膀胱と肝臓の組織学的検査で分析した。 しかし、2022年10月19日に、これまで発注していた低リノール酸飼料の含有内容量に誤りがあることが判明した。低リノール酸食餌は、AIN-93G改変資料(大豆油をヤシ油へ置き換え)として、日本クレア社に発注していたが、同社の担当者が誤って発注初回よりミルクカゼインの含有量が通常ならば20%のところを10%にして製造していた。この給餌内容では、低タンパクの影響が強く出てしまうことを考慮し、その後、正しい低リノール酸飼料を用いて実験をやり直して初めから行っている。 外見の観察では低リノール酸群では通常群ではみられなかった脱毛変化がみられた。代謝ケージで排尿状態を測定したところ、24時間排尿量、24時間排尿回数は低リノール酸群で正常群より低下していた。膀胱内圧測定では、排尿間隔は低リノール酸群で正常群より短かった。採血においては、中性脂肪の値が低リノール酸群で正常群より低かった。また膀胱の組織学的検査では、HE染色において、両軍ともに粘膜上皮下の炎症細胞浸潤は認めず、粘膜の剥離も認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年10月19日に、これまで発注していた低リノール酸飼料の含有内容量に誤りがあることが判明した。低リノール酸食餌は、AIN-93G改変資料(大豆油をヤシ油へ置き換え)として、日本クレア社に発注していたが、同社の担当者が誤って発注初回よりミルクカゼインの含有量が通常ならば20%のところを10%にして製造していた。この給餌内容では、低タンパクの影響が強く出てしまうことを考慮し、その後、正しい低リノール酸飼料を用いて実験をやり直して初めから行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
リノール酸欠乏で膀胱の病理学的変化はないにも関わらず、排尿間隔が短くなっていた理由の解明のために追加実験を予定している。虚血変化がないか酸化ストレスマーカーを調べることや、C線維を刺激したり抑制したりする処理によって通常食餌群と低リノール酸飼料群での排尿間隔はどのように変化するかを比較して、C線維の関与について検証したいと考えている。
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