Project/Area Number |
22K16815
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
若井 健 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (80842898)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | シスチン結石 / 補体レクチン経路 / 走査電子顕微鏡 / 尿路結石症 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は尿路結石形成におけるレクチン経路の役割を明らかにすることである。 我々はシスチン結石患者において補体レクチン系で病原性微生物の糖鎖認識を担うマンノース結合レクチン(MBL)とFCN2に機能変化を伴う遺伝子変異の集積を見出している。本研究では、シスチン結石症や一般的な尿路結石症の患者検体を用いて、走査電子顕微鏡(SEM)による結石の超微学的構造の観察や、尿路での結石形成へのレクチン経路の関与を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
尿路結石形成におけるレクチン経路の役割を明らかにすることを目的に2022、2023年度は下記の研究を行った。 ①一般結石患者検体を用いた遺伝子解析:千葉県済生会習志野病院において収集された一般結石患者49検体と千葉大学病院で得られたシスチン尿症患者49検体の遺伝子を用いて、次世代シークエンス解析を行った。細菌感染制御に関わる補体関連遺伝子を網羅的に解析したところ、シスチン尿症患者群において優位に複数のレクチン遺伝子における変異の集積を認めた。このことからシスチン尿症患者においてはレクチン補体経路が正常に機能しないことでマクロファージによる細菌貪食が進まず、シスチン結石増大の一因となっていることが示唆された。 ②走査電子顕微鏡(SEM)を用いた結石の観察:シスチン尿症患者の尿沈渣検体を対象に、SEMを用いて結石の微細構造の超微学的形態観察を行った。標本のコーティングはオスミウムを用いたplasma chemical vapor deposition(pCVD)法で行い、膜厚は2.5nmとし、加速電圧10kvで観察した。その結果、シスチン結石は微小な板状結晶が寄り集まった構造となっていることが初めて確認された。このことから板状結晶ひとつひとつが増大するのではなく寄り集まっていくために結石の増大スピードが大きい可能性と、各結晶間の間隙が細菌感染の足場となって結石増大を促進している可能性が考えられた。上記手法を応用し一般結石の観察も行い、シスチン結石との超微学的形態の違いを解析した。 ③日本泌尿器科学会、国際学会での学術発表:上記の遺伝子異常を踏まえたシスチン結石の増大メカニズムについて研究考察を行い、日本およびヨーロッパの泌尿器科学会にて学術発表および意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定通りに解析を進めることができている。 結石増大の原因菌を同定する重金属染色を検討していたが、結石表面の細菌を染色するために適切な抗体が見つからず施行できていない。 現在はシュウ酸Ca結石の解析を行い、シスチン結石との比較検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後SEMを用いた特性X線分析によるシスチン結石の元素マッピングを行い、微小な板状結晶の構成元素を確認する予定である。重金属抗体染色法にてシスチン結石表面の細菌と補体の染色を行うことで結石増大の原因菌やメカニズムを解明するとともに、シュウ酸Ca結石との比較検討を行っていく。
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