Project/Area Number |
22K16824
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
石川 圭祐 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (70933026)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 前立腺癌 / エピジェネティックス変異 / マウスモデル / エピジェネティックス / ヒストンメチル化・脱メチル化 / UTX / UTY |
Outline of Research at the Start |
DNAメチル化やヒストン修飾などのエピジェネティックス変異は発癌に深く関与する。前立腺癌では、X染色体由来のヒストン修飾因子であるUTX(KDM6A)の変異が高率に認められ、その相補体でありY染色体由来であるUTYの欠失も報告されており、UTX/UTYの機能欠失が協調して発癌に関与している可能性が高い。本研究は我々が独自に作製したモデルマウスおよび細胞株を用いて、前立腺癌発症機構におけるUTXおよびUTY機能欠失の関与を解明することを目的とする。得られた結果は、変異型エピジェネティクス因子やその下流の遺伝子発現変化を対象とした新規治療法の開発に役立つことが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
DNAメチル化やヒストン修飾などのエピジェネティックス制御は組織恒常性に重要であり、その変異は発癌に深く関与する。前立腺癌では、ヒストン修飾因子であるUTX(KDM6A)の変異が高率に認められる。UTXはX染色体由来であり、Y染色体にはその相補体であるUTYが存在するが、前立腺癌においてはUTX変異に加えてUTY欠失が報告されており、UTX/UTYの機能欠失が協調して発癌に関与している可能性が高い。ヒト前立腺癌細胞株であるC4-2とマウス前立腺細胞株であるRM-2に対して、それぞれsiRNAでUTX、UTYを機能低下させた。コントロールと比較し、UTX、UTY機能欠失細胞株では、それぞれ増殖能、遊走能、浸潤能の上昇がみられた。さらに、RM-2のマウス皮下移植を行ったところ、siRNAのコントロールとUTX、UTY機能欠失細胞株ではUTX、UTY機能欠失細胞株で有意に腫瘍増大傾向となった。申請者は、前立腺組織特異的Utx欠失および Uty欠失、p53 ヘテロのマウス(UtxΔ, UtyΔ, p53+/- )に高脂肪食を4ヶ月投与することによりGleason score 3+3の前立腺癌モデルマウスの作成に成功している。Utx欠失またはp53変異による前立腺癌発癌メカニズムを検討するため、高脂肪食投与なしのUtxΔ, UtyΔ, p53+/+マウス、UtxΔ, UtyΔ, p53+/-マウス、Utx, UtyΔ, p53+/+マウス、Utx, UtyΔ, p53+/-マウスを生後4ヶ月で前立腺を採取し、トランスクリプトーム解析を行った。トランスクリプトーム解析で前立腺癌発症に関わると考えられるものの1つとして細胞増殖に関与するパスウェイの上昇がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitroの結果からは、UTX、UTY機能低下が前立腺癌発症に関与する可能性があることが示された。マウス前立腺でのトランスクリプトーム解析からUTX、UTY機能欠損、p53変異により変動している、前立腺癌発症に関与する可能性のあるパスウェイがいくつか得られた。引き続きこれらのパスウェイと関与する遺伝子が前立腺癌発症にどのように寄与しているのかを検討していく。おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きトランスクリプトーム解析の結果をもとに、UTX、UTY機能欠損、p53変異により前立腺癌発症に関与する可能性のあるパスウェイ、遺伝子を検討する。一方、マウス前立腺組織、前立腺癌細胞株におけるUTX機能欠失また機能低下によるヒストン修飾の評価ができていない。そのため、今後はH3K4me1、H3K27me3の抗体を用いて、マウス前立腺組織、前立腺癌細胞株でのメチル化の状態を評価していく。
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