子宮頸癌の起源細胞の同定と、発癌・分化調整機構の解明
Project/Area Number |
22K16853
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河田 啓 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (90897290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 子宮頸癌 / 起源細胞 / 扁平円柱上皮境界 / オルガノイド培養 / 混合癌 / 幹細胞 / HPV18型 / 子宮頸癌の起源細胞 |
Outline of Research at the Start |
子宮頸癌は、子宮頸部のSCJ細胞にHPVが感染することにより発生すると考えられているが、子宮頸癌の起源細胞については議論が分かれる。本研究では、子宮頸癌の起源細胞の同定とともに、子宮頸癌の発癌・分化機構を解明することを目的とし、以下の2つの検討を行う。まず、SCJオルガノイドにHPVゲノムを導入し、オルガノイド培養とマウスゼノグラフトモデルを作成し、生体を模倣した環境下でのHPV感染SCJ細胞の発癌・分化機構を検討する。次に、子宮頸癌の中でも扁平上皮癌と腺癌の混在する「重複癌」を収集し、組織型毎の検体を採取し、マルチオミックス解析をすることでクローン解析を行い、子宮頸癌の起源細胞を同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は扁平円柱上皮境界(SCJ)オルガノイドを用いた検討をおこなった。子宮頸部のSCJ領域はHuman papillomavirus(HPV)感染が生じる部位であると考えられており、このSCJ領域の細胞をオルガノイド培養により実験的に再現した。まず、HPV18型の初期プロモーター活性をGFP発現でモニタリングできるLentivirusベクターを構築し、このベクターをSCJオルガノイドに導入した。GFP発光強度に基づくシングルセルソーティングを行い、HPV18型初期プロモーターが活性化した細胞の特徴を解析した。single-cell RNA sequencingではこれらの細胞で169遺伝子の有意な発現上昇を確認した。HPV18型を導入したNIKS細胞株に対してsiRNA knockdownを行ったところ、これら169遺伝子のうちNPM3遺伝子はknockdownにより幹細胞多能性に関わるpathwayが有意に発現低下した。 本研究は混合癌に着目した解析と、SCJオルガノイドの解析により、子宮頸癌の起源細胞を同定するとともに、HPV感染による分化・発癌機構を解明することを目的とした。まず混合癌に関しては、HPV18型陽性子宮頸癌のうち混合癌症例についてクローン解析および微量RNA seq解析をおこない、複数の組織型は共通の細胞起源を有すること、またHPVインテグレーションは組織型の分化前の共通起源細胞において既に起こっていることを示した。さらに、組織型ごとのヒト遺伝子解析では、幹細胞の性質を有する細胞を維持していることが分かった。この結果から、子宮頸癌の起源細胞が幹細胞であり、発癌後に組織型分化するという仮説が考えられた。SCJオルガノイドの検討では、SCJ領域におけるHPV18型の感染を実験的に再現し、HPV18型の初期複製に関わるNPM3という細胞内分子を同定した。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Application of organoid culture from HPV18-positive small cell carcinoma of the uterine cervix for precision medicine2023
Author(s)
Kusakabe M, Taguchi A, Tanikawa M, Hoshi D, Tsuchimochi S, Qian X, Toyohara Y, Kawata A, Wagatsuma R, Yamaguchi K, Yamamoto Y, Ikemura M, Sone K, Mori-Uchino M, Matsunaga H, Tsuruga T, Nagamatsu T, Kukimoto I, Wada-Hiraike O, Kawazu M, Ushiku T, Takeyama H, Oda K, Kawana K, Hippo Y, Osuga Y.
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Journal Title
Cancer Med
Volume: 12
Issue: 7
Pages: 8476-8489
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] A novel approach using squamous-columnar junction organoids to elucidate the cells of origin of human papillomavirus 18-associated uterine cervical cancer,2023
Author(s)
Yusuke Toyohara, Ayumi Taguchi, Kenbun Sone, Saki Tsuchimochi, Saki Tanimoto, Misako Kusakabe, Michihiro Tanikawa, Mayuyo Mori-Uchino, Katsutoshi Oda, Kei Kawana, Yutaka Osuga
Organizer
第75回日本産科婦人科学会学術講演会
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