Project/Area Number |
22K16878
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
光井 崇 岡山大学, 大学病院, 助教 (60769008)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 妊娠高血圧腎症 / プロレニン受容体 / エンドセリン-1 |
Outline of Research at the Start |
妊娠高血圧腎症は、全妊娠の1-3%に発症し、母体、胎児ともに重篤な合併症をもたらし、両者を死に至らしめる危険な疾患である。妊娠高血圧腎症では、血管新生因子と抗血管新生因子の不均衡が病態の発症と進行の大きな要因となることが明らかとなりつつあるが、高血圧や蛋白尿などの多彩な臨床像を引き起こす機序については十分には明らかにされていない。本研究では、妊娠高血圧腎症モデルマウスの胎盤におけるプロレニン受容体を介した細胞内シグナルの病態意義を検証し、妊娠高血圧腎症の発症及び増悪の機序の解明に貢献するのみならず、プロレニン受容体を標的とした新たな治療戦略の開発を見出すことを狙う。
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Outline of Annual Research Achievements |
妊娠マウスの子宮動脈を結紮し、血流を減少させる方法で妊娠高血圧腎症モデルマウスを作成し、血圧、蛋白尿の測定を行い、妊娠高血圧腎症への進行度をモニタリングした。また、胎盤の低酸素化は低酸素誘導因子を指標に定量的 PCR 法で評価するとともに胎盤におけるプロレニン受容体の発現を評価した。妊娠高血圧腎症モデルマウスでは血圧の上昇、蛋白尿の増加が認められ、子宮の血流低下により胎盤の低酸素化が生じることで胎盤のプロレニン受容体が増加し、細胞内シグナルの活性化によるエンドセリン-1の産生が増加していることを証明した。 さらに、妊娠高血圧腎症モデルマウスにプロレニン受容体阻害剤(RIPLKKMPSV)を投与することでプロレニン受容体の病態への意義を検討した。プロレニン受容体阻害剤の投与により細胞内シグナルの活性化を抑制することができ、エンドセリン-1の産生も抑制することが可能であった。また、妊娠高血圧腎症モデルマウスにおける高血圧や蛋白尿に関しても改善することができた。当研究成果から、妊娠高血圧腎症の胎盤におけるプロレニン受容体を介した細胞内シグナルの活性化とそれに伴うエンドセリン-1の産生の病態意義を検証することができた。 これらの研究データは、第75回日本産科婦人科学会学術講演会、第59回日本周産期・新生児医学会学術講演会、FIGO 2023 World Congressで発表を行った。また、研究成果がPlacentaに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、妊娠高血圧腎症モデルマウスの胎盤におけるプロレニン受容体の増加に伴うエンドセリン-1の産生を中心とする妊娠高血圧腎症の病態発症のメカニズムを解明する研究を進めていく予定である。プロレニン受容体からの活性化される細胞内経路を網羅的に解析を行うことにより、まだ他の因子も相互に関係してくることが考えられ、発現変動が顕著なものについてデータベース化を行う。プロレニン受容体を中心とする病態発症増悪の分子メカニズムの詳細の糸口となり、新たな重要分子の発見も期待される。
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