内リンパ水腫の質的診断に関する新規評価法と治療のアルゴリズムの開発
Project/Area Number |
22K16897
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 万純 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40875639)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | メニエール病 / wideband tympanometry / 中耳加圧療法 / 音響エネルギー / 内リンパ水腫 / 遅発性内リンパ水腫 |
Outline of Research at the Start |
めまいや難聴の症状を繰り返すメニエール病や、蝸牛型や前庭型など非定型メニエール病、低音障害型感音難聴、遅発性内リンパ水腫や前庭水管拡大症など内リンパ水腫関連疾患の患者さんに対して、内服や非侵襲中耳加圧装置による治療の前後に、病態である内リンパ水腫の形態を評価する内耳造影MRIを撮影し、機能的評価のために前庭機能検査やWideband Tympanometryを用いて症状の推移とともに内リンパ水腫の質的評価を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は難聴やめまい発作を繰り返すメニエール病や遅発性内リンパ水腫を主に対象とした、内リンパ水腫関連疾患に対して、内リンパ水腫の形態的・質的な評価をおこない、症状との関連について検討し、簡便に施行可能な新しい検査法の確立を目的としている。 内耳造影MRIにより内リンパ水腫が可視化され、特に前庭における内リンパ水腫がめまいを伴う内リンパ水腫関連疾患に与える影響が重要視されている。また近年MRIにおける外リンパの造影効果と内リンパ水腫の程度を組み合わせた評価が病状の活動性に影響するという報告もされはじめた。近年難治性内リンパ水腫疾患に対して中耳加圧療法が保険適応になったように、内リンパ水腫は外耳からの圧力により治療効果を得るほどの変動が起こる。Wideband Tympanometryは外耳道圧変化させることで、音響インピーダンスを測定するのみならず音響エネルギーの耳内への吸収率を測定できるため、前庭の内リンパ水腫が影響する吸収率を簡便に評価できることが示されている。 メニエール病、遅発性内リンパ水腫の患者、ほか変動性難聴やめまい感、近年話題になっている聴き取り困難症状を呈する患者に対して、内耳造影MRIによる内リンパ水腫の程度・造影効果の形態的評価を行うとともに、内リンパ水腫の治療に伴う症状の変動と、聴力検査、VEMP、Wideband Tympanometryにより測定された内耳への音響エネルギーの吸収率の経時的変化の評価を行った。今回治療経過により2-3kHz周辺の吸収率が改善を有意に示すことが判明した。以前にはMulti-frequency tympanometry(MFT)でもメニエール病症例では2kHzで音響コンダクタンス(G)ピーク幅が広がることが報告されており、より詳細な評価がwideband tympanometryで可能なことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難治性メニエール病、遅発性内リンパ水腫、変動性難聴やめまい症を呈する内リンパ水腫関連疾患の患者20名に対して、内耳造影MRIによる内リンパ水腫の程度・造影効果の形態的評価を行うとともに、1か月間のめまい回数、聴力検査、VEMP、Wideband Tympanometryにより測定された内耳への音響エネルギーの吸収率の1年間の経時的変化の評価を行い、中間発表を海外学会にて発表するとともに、英語論文投稿をおこなった。 経時的にMRIを撮影することで、内耳における外リンパの造影効果が先行しその後症状が出現し内リンパ水腫も出現した症例について、外リンパの造影効果の評価の重要性が示されたため、英語論文発表を行った。 メニエール病、変動性感音難聴、突発性難聴、めまい症、聞き取り困難の症状を呈する患者における活動性・非活動性について、聴力検査と、MRIにおける内リンパ水腫の程度と外リンパの造影効果について中間発表を国内学会にて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
外リンパの造影効果の時間的推移の重要性が改めて示されたため、造影効果と内リンパ水腫の程度の評価は重要である。MRIにて内リンパ水腫を呈する患者には二次的な非活動性の内リンパ水腫も含まれていると考えられており、内リンパ水腫の活動性の評価を行うために、めまい症状も聴力も変動するメニエール病、めまい症状のない感音難聴、難聴のないめまい症、難聴もめまいもない聴覚異常感の症状を呈する患者に対し、内リンパ水腫の程度と外リンパの造影効果と、半年間のめまい回数、聴力変動の有無との関連の解析をすすめ、論文・国際的発表を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)