水晶体酸化ストレス応答に注目した、緑内障濾過手術後における白内障予防法の創出
Project/Area Number |
22K16946
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
有村 尚悟 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (20835029)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 酸化ストレス / 前房水 / アスコルビン酸 / 総抗酸化能 / 線維柱帯切除術 / 白内障 / 極低侵襲緑内障手術 / 濾過手術 |
Outline of Research at the Start |
緑内障の代表的濾過手術である線維柱帯切除術は眼圧下降効果に優れるが、術後に白内障が進行する。白内障進行の問題点は視機能低下だけでなく、白内障手術によって線維柱帯の成績が悪化するため、その予防が非常に重要である。本研究では、虹彩切除後における水晶体の遺伝子レベルでの酸化ストレス応答機構を追求し、緑内障濾過手術時の新たな白内障予防法の創出を目指す。また、国内未承認の虹彩切除を伴わない濾過手術に分類される極低侵襲緑内障手術後と従来の線維柱帯切除術後における白内障進行の比較を行うことで、緑内障濾過手術を行う際の、より適切な判断基準の創出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで過去に、緑内障濾過手術のゴールドスタンダードである線維柱帯切除術後に白内障が進行すること、また線維柱帯切除術と同時または術後に白内障手術を行うと、線維柱帯切除術の手術成績が低下することを報告した。緑内障は本邦における中途失明原因第一位の疾患であり、線維柱帯切除術を要する患者は多い。その手術成績低下を防ぐため、白内障進行予防は重要である。そこで我々は、線維柱帯切除術に伴う虹彩切除後は眼内の房水流出経路が変わること、または虹彩へのダメージによる慢性的な炎症の影響で、水晶体を栄養する房水の環境が変化し白内障が進行するのでは無いかと考え、白内障予防に重要な役割を果たしている酸化ストレスに着目した研究を行った。本研究では、白内障進行と深い関わりがあるといわれる酸化ストレスに着目し、虹彩切除後の前房水と白内障進行の生理的なメカニズムを解明することで、新たな白内障治療薬開発の足がかりや緑内障濾過手術における術式選択の新たな判断基準の創出を目指している。日本有色ウサギを対照群、虹彩切除群、線維柱帯切除術群の3群に分け、各群において術後1週間・1か月・6か月・12か月後の、前房水、水晶体を採取した。前房水において重要な抗酸化物質であるアスコルビン酸の測定と総抗酸化能の測定をAssay kitを用いて行った。虹彩切除群と線維柱帯切除術群の前房水中のアスコルビン酸濃度と総抗酸化能は対照群と比較して各々、術後すべてのタイムポイントで有意に低下していた。線維柱帯切除術の特に虹彩切除は,前房内の抗酸化環境を慢性的に低下させるという新たな知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の実施目標である房水総抗酸化能の測定まで終了しており、研究の進歩状況はおおむね良好であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫染色法を用いて水晶体上皮細胞における、Nrf2およびKeap1の発現の程度を虹彩切除群とコントロール群で比較する。2群において眼球摘出を行い、水晶体上皮を剥離する。さらに、水晶体上皮細胞をホモジナイズした上で遠心分離(600 ×g)を行い、細胞質成分と核内成分とに分離後、細胞成分と核内成分においてそれぞれウェスタンブロッティングおよびRT-PCRを行い、Nrf2・Keap1のタンパク発現量と遺伝子発現量の計測を虹彩切除群とコントロール群で行う。この過程により、虹彩切除後の水晶体上皮細胞においてどの程度、抗酸化システム応答が起きているか遺伝子レベルで明らかにしたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)