Project/Area Number |
22K16969
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小柳 俊人 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80880690)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 遺伝性疾患 / 網膜色素変性 / 次世代シークエンサー / 臨床的意義不明 / 遺伝性網膜変性疾患 / 病因遺伝子変異 / 大規模遺伝子解析 / ゲノム医療 |
Outline of Research at the Start |
網膜色素変性(retinitis pigmentosa: RP)は、網膜の変性により進行性の視覚障害をきたす遺伝性疾患群で主要な失明原因疾患の一つである。本研究では、約2,500症例の遺伝性網膜変性疾患(Inherited retinal disease: IRD)の大規模な遺伝子解析を行い、臨床的意義不明の変異 (variants of unknown significance: VUS)の解釈を行うことで、本邦のRP及び類縁疾患の新規病因変異の同定および遺伝子診断率の大幅な向上を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
網膜色素変性(retinitis pigmentosa: RP)は、網膜の変性により進行性の視覚障害をきたす遺伝性疾患群で主要な失明原因疾患の一つである。申請者を含む研究グループはこれまでアジア最大級の病因遺伝子検索を行い多数例の病因変異の同定を行ってきた。しかし、単純に網羅的なシークエンスを行っても、遺伝的な病因が不明な症例が依然として半数以上に存在する。本研究では、約2,500症例の遺伝性網膜変性疾患(Inher ited retinal disease: IRD)に対する大規模なシークエンスにより得られた遺伝情報に対して統合解析を行い、症例毎の病因遺伝子変異及び臨床的意義不明の変異 (variants of unknown significance: VUS)を特定する。さらに、公共のデータベース(gnomAD等)での一般集団における各人種での頻度の最高値(PopMax)との頻度比較や同一のVUSをもつ家系における共分離解析を行い病原性の証明を行う。有力な候補変異については、変異をホモで保有する患者由来のヒトリンパ芽球様細胞株(LCL: Lymphoblastoid Cell line)を樹立し、組織特異的なmRNA解析を行い機能低下の証明により病原性を確定する。それらにより、本邦のRP及びIRDの新規病因変異の同定および遺伝的診断率の大幅な向上を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RPと類縁疾患(RP and allied diseases)を対象とした約1,290例の追加検体に対してRPの既知の病因遺伝子のTargeted resequenceを行ったデータに対して統合解析を施行し、更新された公共のデータベースでの変異の頻度情報、HGMDやClinVar等での病原性に関する登録情報及び近年報告された病因変異を反映させ、ACMGガイドラインに基づく病原性判定を行い、病原性あり(Pathogenic)もしくは病原性を持つ可能性がある(Likely Pathogenic)と判定される変異により症例毎の病因遺伝子変異を特定した。これらの統合解析結果を学術誌に掲載した(Goto K, Koyanagi Y et. al, J Med Genet. 2024)。上記研究結果は第127回日本眼科学会総会及びARVO (The Association for Research in Vision and Ophthalmology) 2023で報告した。さらに、本邦の当疾患の現時点で最も頻度の高い病因遺伝子であるEYSを病因とする疾患集団に対する遺伝子型表現型相関解析を行い、その結果を第62回日本網膜硝子体学会で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、IRDの大規模な遺伝子解析により得られた遺伝情報に対して統合解析や層別解析を進めていき、最新の遺伝的診断率の算出、症例毎の病因遺伝子変異の特定、病因遺伝子の割合、遺伝子型表現型相関解析、高頻度変異の特定やその起源の解明、新規変異の検証、既報とのメタ解析、他地域疾患集団における検証など遺伝子変異情報の解析を施行する。さらに、検出されたVUSに対して、頻度の評価、家族解析、発現解析や機能解析を行い、新規病因変異の特定及び症例毎の病因遺伝子変異の特定率の上昇に寄与するエビデンスの創出を進める。これらの結果を、当疾患に対する疾患予測と診断、予防、遺伝子治療などを含めたゲノム医療実現の基盤とする。
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