Project/Area Number |
22K16977
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56060:Ophthalmology-related
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小椋 俊太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10770430)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 加齢黄斑変性 / マスト細胞 / 新生血管 / 網膜色素上皮細胞 / 萎縮型加齢黄斑変性 / 脈絡膜 |
Outline of Research at the Start |
血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬の出現によって滲出型加齢黄斑変性(AMD)の治療にブレイクスルーをもたらしたが、治療抵抗例が一定数存在することからVEGF非依存性の因子の存在が示唆される。 マスト細胞は炎症や生体防御機構の中心的役割を担い、様々な組織で病態進展に寄与する。我々はラット脈絡膜中のマスト細胞が萎縮型AMDの病態に直接関与していることを実験的に明らかにしたが、ヒトAMDでは脈絡膜マスト細胞が活性化しており、滲出型AMD眼においてもマスト細胞の関与が示唆される。本研究では、実験的にマスト細胞と脈絡膜新生血管の関係を解明し、マスト細胞を標的とした新規薬物療法の開発を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
近年、滲出型加齢黄斑変性 (age-related macular degeneration: AMD)に対し血管内皮増殖因子 (vascular endothelial growth factor: VEGF)阻害薬によって脈絡膜新生血管 (choroidal neovascularization: CNV)を退縮させることが可能となり、AMDの治療にブレイクスルーをもたらした。しかし、再発に伴う頻回治療による医療費の高騰や、患者負担の増大は社会的にも問題であり、新規治療法の開発が望まれている。さらに、抗VEGF療法に治療抵抗例が一定数存在することから病態にはVEGF非依存性の因子の存在が示唆される。 マスト細胞は炎症や免疫応答などの生体防御機構の中心的役割を持ち、様々な組織で病態進展に寄与するが、眼内では結膜とともに脈絡膜に豊富に存在している。最近、申請者はラット脈絡膜中のマスト細胞を持続的に刺激し活性化・脱顆粒させることで萎縮型AMDに類似した病態を惹起させ、マスト細胞が萎縮型AMDの病態に直接関与していることを明らかにした。ヒトAMD眼の病変部ではマスト細胞の数とその脱顆粒が有意に増加していることから、萎縮型AMDのみならず滲出型AMD眼においてもマスト細胞の関与が示唆される。本研究では、滲出型AMDの病態モデルであるレーザー誘導CNVを用いてマスト細胞とCNVとの関係を解明し、マスト細胞をターゲットとした新規薬物療法の開発を目指す。本年度はまずマウスのおけるマスト細胞の局在、また脈絡膜マスト細胞の脱顆粒で網膜色素上皮細胞が変性脱落し得るかを研究した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年はマウスマスト細胞を脱落させることで網膜色素上皮細胞が脱落変性しうるかを検討した。従来当該研究者が施行した結膜下にマスト細胞刺激物質を混ぜたゲルを投与する方法を試みたが、結膜のスペースが少なくこの方法はうまくいかなかった。しかし投与を硝子体に変更すると濃度依存的に網膜色素上皮細胞を変性させることができた。 以上の成果のように研究はおおむね順調といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、マウス滲出型AMD実験モデルを以下の手順で作製し評価する。 1. 散瞳薬を点眼し麻酔で鎮静した後、網膜大血管を避けて神経乳頭の上下左右4か所に距離を揃えてレーザー光凝固を施行する。 2. 蛍光デキストランの静脈投与により血管と漏出を染色し、CNVの体積を定量評価する。 3. CNVの周囲に凝集するマクロファージとマスト細胞を免疫染色し、マスト細胞の活性化の有無によりCNVの体積や漏出に差が出るか検討する。
|