Project/Area Number |
22K17081
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57040:Regenerative dentistry and dental engineering-related
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
村上 智哉 朝日大学, 歯学部, 非常勤講師 (90791517)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | iPS細胞 / 乳歯歯髄細胞 / マイクロRNA / mirPS細胞 / インスリン分泌細胞 / 抗腫瘍性 / 高効率な初期化 / 乳歯 / miRNA / iTS細胞 |
Outline of Research at the Start |
ヒトiPS細胞は無限に自己複製し、三胚葉への分化能を有するが、in vivoでの多分化能性は限定的であり、潜在的な奇形腫形成の問題も解消されるに至っていない。山中4因子に含まれるc-MYCは腫瘍形成のリスクが高いため、代替因子の探索が盛んに行われている。最近、miRNAによるiPS細胞作製技術が報告されたが、ひとつのmiRNAは数百種類のmRNAを制御しており、複数のmiRNAの組み合わせで多様な遺伝子発現調節が可能であるため、乳歯歯髄細胞(HDDPC)にmiRNAを導入・発現させることでHDDPC由来iTS細胞のような細胞が作製できる可能性がある。
|
Outline of Annual Research Achievements |
iPS細胞は再生研究において活発な研究が行われている。その作製にあたっては山中因子と呼ばれる4種の初期化遺伝子の遺伝子導入が必要であるが、その遺伝子導入効率は高くなく、また腫瘍形成のリスクが残存している。これらの問題を解決すべく、近年ではマイクロRNA(miRNA)を使用したiPS細胞の作製技術が開発され、注目が大きくなっている。miRNA導入により作製された、iPS細胞様細胞(mirPS細胞)は、従来のiPS細胞に比較してリプログラミング効率が20%程度と高効率であり、更に腫瘍形成能が低いとされている。本研究では、このmiRNAと乳歯歯髄細胞(HDDPC)を用いることでmirPS細胞を樹立し、さらにインスリン分泌細胞の分化誘導を行うことにより、より効率の高く安全な再生療法の開発を目的とする。 まずは、mirPS細胞を作製するために、HDDPCに対してpLOVE-miR302/367(リプログラミングmiRNA)、pT-EGFP(緑蛍光タンパク)、pT-pac(puromycin耐性遺伝子)、pTrans(PB transposase発現ベクター)、をNeon Transfection Systemによって遺伝子導入した。また導入後にpuromycinにて選別して、生じたコロニーを拾い上げて安定株を得た。拾い上げた安定株の緑蛍光の確認、ALP染色による未分化性の確認、PCRによるゲノム解析を行い、現在はインスリン産生細胞への分化誘導を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、HDDPCに対してマイクロRNAを遺伝子導入することで、HDDPC-mirPS細胞を作製し、さらにインスリン分泌細胞への分化誘導を行うことを目的としている。miRNAを遺伝子導入し作製したHDDPC-mirPS細胞をインスリン産生細胞へ分化誘導を行い、インスリン産生細胞様の細胞を確認することができた。現在は免疫染色等のインスリン産生細胞について詳細な分析を行っているが、インスリン産生細胞の細胞数が十分に確保できておらず、またインスリン抗体についても再検討を行っているため、生化学的解析に時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、作製したHDDPC-mirPS細胞に胚葉体形成能や増殖性の維持などの細胞動態について確認を行い、腫瘍形成能に関する検討を行う。また多分化能性を実際に有しているかについて、各分化誘導培地を用いることで脂肪細胞、神経細胞、骨細胞などへの分化が可能であるか確認を行う。 次に膵臓細胞への分化誘導を行う。膵臓分化誘導遺伝子である、pT-NPMTP(NGN3、PDX1、MAFA)、pT-Hyg(hygromycin B薬剤耐性遺伝子)、pTrans (PB transposase発現ベクター)をHDDPC-mirPS細胞へ遺伝子導入し、さらにhygromycinBにて選別をおこなう。選別後に得られたコロニーを拡大していき、インスリン産生細胞 (insulin-producing cell-committed HDDPC-mirPS、IPC-mirPS)の作成を行う。その後、IPC-mirPSの未分化性やインスリン分泌能について、RT-PCRや免疫染色によって確認を行う予定である。 さらにヌードマウスの膵臓へとIPC-mirPSを移植することによって、生体内におけるインスリン分泌が可能であるか、また腫瘍形成は抑制されているかについて検討を行う予定である。
|