義歯装着が高齢者の歩行運動に及ぼす効果ー新しい3次元解析システムによる検討ー
Project/Area Number |
22K17121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 57050:Prosthodontics-related
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
渡邊 諒 朝日大学, 歯学部, 講師 (00836942)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 歩行 / 義歯 / 転倒 / 咬合支持 / 筋電計 / 高齢者 / 咬合 |
Outline of Research at the Start |
義歯の装着には「咀嚼能力の改善」, 「審美性の改善」, 「口腔機能の回復」や「QOLの向上」が列挙されてきた. 一方, 義歯装着による咬合の安定化が「姿勢制御機能の改善」や「運動機能の向上」におよぼす影響について高齢者の歩行中の転倒の原因として, 歩行時に膝が充分上がらないこと, 身体の左右の動揺幅が大きいこと, 腰の曲がりによる前方視野の確保が不充分なことがある. 歩行運動について「ビデオ動作解析システム」を用いた新たな3次元的に歩行を解析し, 歩行時の身体の上下, 左右, 前後の動き, 歩行速度やストライド幅を数値化し, 義歯装着による咬合支持の変化が歩行運動に与える影響について精査する.
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Outline of Annual Research Achievements |
咬合と歩行の関連性を研究するにあたり、「咬合接触の有無」を客観的に判断する方法の策定が必要であると考えた。多因子の影響をうける歩行運動を解析するにあたり、母数が必要であり、計測の簡便さも求められることから、咀嚼筋群の1つである咬筋の活動を測定することが有用であると思われる。義歯の使用による咬合の有無を咬筋の活動で評価可能かを判断するために、無線型筋電計を用いて計測し検討を行った.咀嚼筋群および顎関節に異常を認めない満20歳以上の成人男性10名を対象とした。測定機器はDataLITE(Biometrics、英国)を用い、記録・解析ソフトはTraias2(株式会社Q’sFIX、東京)を用いた。クレンチング時中の最大振幅を基準とした1秒あたりの筋活動量で評価した。計測項目として、下顎安静位(rest position)、閉口(歯を接触する状態 (tooth contact)、最大咬合(clenching)の3項目を各5秒間1セットとし、同一部位へ再貼付を行いMVCを15セット計測した。安静時は0.48%、閉口時は0.52%、クレンチング時は15.9%であった.筋電計はデータの再現性が乏しく、測定誤差の因子が多数存在する。同被験者であっても、計測の度に測定値が異なることが多い。そのため本器材を用いる際は、筋電計貼付の度に最大咬合による最大振幅を計測することによって、試技中の咬合の有無を判断することが可能と考えられる。 無線型筋電計を使用することで有意識下での随意的咬合の鑑別が行えたことから、高齢者の義歯の使用やスポーツ選手のマウスガード使用における、意識的咬合の有無について、本方法にて計測、客観的判定に用いることが可能と考えられた。また、無意識下でも本法により、試技中における咬合の有無を評価できる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度における施設制限により計測可能な機会が限られたことが主な原因である。 本研究においてメインで使用するFrameDIAS6について、研究計画では実長と解析データの整合性がとれている前提で計画していたが、前研究を含め、本機材の正確性・精度についての精査が行われておらず、既存文献からも確認することができなかった。そのため、対人実験を行う以前の問題として、本機材の精度実験から行う必要性があり、現在慣行中である。以前使用していたデジタルカメラでは、画像解析時に肉眼での識別が困難な場合があったため、新たに高精度のデジタルカメラを購入したが、搬入まで長期間有することとなってしまった。 咬合の確認のために使用する筋電計においては、本研究から新たに採用した機材であり、本研究の趣旨に沿った計測が可能かどうかを判定した。筋電計については対人による評価研究を完了し、本主題研究に応用可能であることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後早急にFrame DIASの精度実験を敢行し、本研究に信頼の置ける評価が行えるかを判断する。また、近年のカメラおよび空間認知機能の向上から、マーカーを手動入力しなくてすむ他の自動追尾機能を有するモーションキャプチャーがでてきていることから、本研究を円滑に遂行するために研究器材の適宜変更も検討している。 被験者のうち、コントロール群となりうる若年者の解析を開始し、筋電計との相互性を確認していく。本研究で用いる器材で求められる数値が、既存論文から逸脱していないことを確認し、それに伴い解析範囲、比較部位の検討を行い高齢者での解析のプロトコールを確立させる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)